[Vol.1788] 日経平均株価の記録的な下落・上昇率を確認

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。79.92ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,499.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は16,005元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年09月限は579.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1557ドル(前日比0.40ドル縮小)、円建てで7,279円(前日比8円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月13日 18時10分時点 6番限)
11,719円/g
白金 4,440円/g
ゴム 324.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「日経平均株価の記録的な下落・上昇率を確認」
前回は、「尊厳と秩序の放棄が『見えないリスク』増幅」として、「スマホ(SNS含む)」の世界的普及がもたらした負の影響を確認しました。

今回は、「日経平均株価の記録的な下落・上昇率を確認」として、日経平均の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)を確認します。

2024年8月5日に発生した日経平均株価の下落は、記録的な規模でした。複数のメディアは街頭でインタビューをし、個人投資家が不安を抱えている様子を報じました。下落幅が1987年10月に発生したブラックマンデー(米国の株価暴落時)を超えたことが盛んに報じられ、一時、強い悲観論が漂いました。

この時、この比較は適切ではない、と指摘する声が聞かれました。指摘の通り、2万5,746.56円から下落した1987年10月と、3万5,909.70円から下落した今回を、「下落幅」で単純に比較することはできません。比較をする際は「下落率」を用いるのが適切です。

下の図は、日経平均のその年の最大上昇率と最大下落率です(日次終値ベース)。日本銀行の追加利上げやそれに伴う円高、そして米国の景気後退懸念が主因で発生した2024年8月5日の下落(マイナス12.4%)は、歴代2位でした(1位は1987年10月20日のブラックマンデー時のマイナス14.9%)。

歴代2位の下落率となった8月5日の翌日、日経平均は歴代4位となる上昇(プラス10.2%)を演じ、「(値動きが)ジェットコースターのようだ」とささやかれました。

また、振り返ってみると、リーマンショック直後の2008年10月14日に上昇率1位(プラス14.2%)を記録したり、同10月16日に下落率3位(マイナス11.4%)を、東日本大震災直後の2011年3月15日に下落率4位(マイナス10.0%)を記録したりするなど、2000年以降に、記録的な値動きが目立っていることが分かります。

2000年以降、日経平均は長い歴史の中でも、特異な状況にあると言えそうです。

図:日経平均の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)

出所:ブルームバーグなどのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。