原油反落。米主要株価指数の反落などで。70.92ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,680.20ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は18,300元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年11月限は535.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1695.7ドル(前日比6.40ドル拡大)、円建てで7,792円(前日比33円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月25日 19時04分時点 6番限)
金 12,349円/g
白金 4,557円/g
ゴム 385.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,945円/mmBtu(24年12月限 9月24日17時26分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「利下げ時に『株高・金高』が起きる理由」
前回は、「株と金(ゴールド)が同時に最高値更新」として、NYダウ平均とNY金(ゴールド)先物の推移(2024年5月1日~9月18日)を確認しました。
今回は、「利下げ時に『株高・金高』が起きる理由」として、FRBの利上げ・利下げが及ぼす金(ゴールド)相場への影響を確認します。
利下げは、個人や企業の資金調達を促す、景気回復期待を強める要因でもあるため、株高の一因といえます。これに似た「金利低下」は、景気が冷え込みつつあることを示す、自然発生する過程や結果です。本レポートで述べている利下げが、金利低下と異なる、中央銀行による人為的な操作である点に留意する必要があります。
米国の金融政策が、株式や通貨、債券、コモディティ(国際商品)、暗号資産など、幅広い市場において最も重要なテーマである場合、「株高・金高」や「株安・金安」が起きます。つまり、材料の頂点が米国の金融政策である場合、株と金(ゴールド)は、順相関になるのです。
一方、「教科書」に書かれている逆相関は、景気動向が材料の頂点の場合に起きます。
各種市場の原形ができた1970年代から、歴史上類を見ない大規模な金融緩和の起点となった2010年ごろまで、この状態が長く続いたため、「株と金(ゴールド)は逆相関」というイメージが定着したと考えられます(一般の人々がイメージしやすいことに加え、金融機関の営業トークにもよくなじんだ)。
1970年代から2010年ごろまでは、この説明はある程度当てはまりましたが、社会が複雑化し、それに伴い市場が複雑化した現代においては、まさに今がそうであるように、過去の常識をそのまま当てはめることができないケースが頻発しています。
社会の複雑化は、技術革新・娯楽追及など、人類の飽くなき欲望が一因で生まれたため、それを否定することは誰にもできません。
複雑化に拍車をかけたのが中央銀行でした。リーマンショック(2008年)の直後に断続的に、そしてコロナ・ショック(2020年)の直後に、米国を中心とした主要国の中央銀行は景気回復を企図し、大規模で緩和的な金融政策を実施しました。
利下げや資産の買い取りなどの緩和策が大規模に行われたころ、景気回復期待が増幅して株式市場は急反発しました。市場はこうした中央銀行の動きを大歓迎しました。同時に、基軸通貨である米ドルが複数の主要国通貨に対して下落し、そのドル安をきっかけとして、金(ゴールド)高が発生しました。
中央銀行による利上げや利下げ、資産の買い取りや放出などの金融政策は、特に景気動向が不安定化して市場が金融緩和を求めている時に、市場全体の最も大きな関心事(材料の頂点)になり得ます。
こうした状況においては、株と金(ゴールド)の値動きの関係において、教科書や過去の常識と正反対のことが簡単に起きるため、安易に「教科書」や過去の常識に頼ってはいけません。
9月18日のFOMCを経て、米国で利下げが始まりました。以下の「緩和(利下げ)局面」に示したとおり、利下げ時に発生するドル安観測は、金(ゴールド)相場に「代替通貨」起因の上昇圧力をかけます(A)。
同時に、利下げは、個人や企業の資金調達を促し、景気回復・株価上昇の要因になります。この点は、金(ゴールド)相場に「代替資産」起因の下落圧力をかけます(C)。また、利下げとは別の文脈で進行しているウクライナ戦争の悪化、中東情勢のさらなる混迷をきっかけとした「有事ムード」が上昇圧力をかけます(B)。
足元、まさにAとBの上昇圧力が、Cの下落圧力をかき消し、金(ゴールド)相場は反発色を強めています。史上最高値水準であっても、株価上昇時であっても、です。リーマンショックやコロナショックの直後に行われた金融緩和の際にも「株高・金(ゴールド)高」が発生しました。
米国の利下げをきっかけとした金(ゴールド)高の場合、円建て金(ゴールド)は、円高によって上値を抑えられやすくなります。ですが、急激な円高が発生しない場面においては、ドル建てに追随して上昇する可能性があると考えられます(上昇率はドル建てに及ばない)。
図:FRBの利上げ・利下げが及ぼす金(ゴールド)相場への影響
出所:筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,680.20ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は18,300元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年11月限は535.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1695.7ドル(前日比6.40ドル拡大)、円建てで7,792円(前日比33円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月25日 19時04分時点 6番限)
金 12,349円/g
白金 4,557円/g
ゴム 385.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,945円/mmBtu(24年12月限 9月24日17時26分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「利下げ時に『株高・金高』が起きる理由」
前回は、「株と金(ゴールド)が同時に最高値更新」として、NYダウ平均とNY金(ゴールド)先物の推移(2024年5月1日~9月18日)を確認しました。
今回は、「利下げ時に『株高・金高』が起きる理由」として、FRBの利上げ・利下げが及ぼす金(ゴールド)相場への影響を確認します。
利下げは、個人や企業の資金調達を促す、景気回復期待を強める要因でもあるため、株高の一因といえます。これに似た「金利低下」は、景気が冷え込みつつあることを示す、自然発生する過程や結果です。本レポートで述べている利下げが、金利低下と異なる、中央銀行による人為的な操作である点に留意する必要があります。
米国の金融政策が、株式や通貨、債券、コモディティ(国際商品)、暗号資産など、幅広い市場において最も重要なテーマである場合、「株高・金高」や「株安・金安」が起きます。つまり、材料の頂点が米国の金融政策である場合、株と金(ゴールド)は、順相関になるのです。
一方、「教科書」に書かれている逆相関は、景気動向が材料の頂点の場合に起きます。
各種市場の原形ができた1970年代から、歴史上類を見ない大規模な金融緩和の起点となった2010年ごろまで、この状態が長く続いたため、「株と金(ゴールド)は逆相関」というイメージが定着したと考えられます(一般の人々がイメージしやすいことに加え、金融機関の営業トークにもよくなじんだ)。
1970年代から2010年ごろまでは、この説明はある程度当てはまりましたが、社会が複雑化し、それに伴い市場が複雑化した現代においては、まさに今がそうであるように、過去の常識をそのまま当てはめることができないケースが頻発しています。
社会の複雑化は、技術革新・娯楽追及など、人類の飽くなき欲望が一因で生まれたため、それを否定することは誰にもできません。
複雑化に拍車をかけたのが中央銀行でした。リーマンショック(2008年)の直後に断続的に、そしてコロナ・ショック(2020年)の直後に、米国を中心とした主要国の中央銀行は景気回復を企図し、大規模で緩和的な金融政策を実施しました。
利下げや資産の買い取りなどの緩和策が大規模に行われたころ、景気回復期待が増幅して株式市場は急反発しました。市場はこうした中央銀行の動きを大歓迎しました。同時に、基軸通貨である米ドルが複数の主要国通貨に対して下落し、そのドル安をきっかけとして、金(ゴールド)高が発生しました。
中央銀行による利上げや利下げ、資産の買い取りや放出などの金融政策は、特に景気動向が不安定化して市場が金融緩和を求めている時に、市場全体の最も大きな関心事(材料の頂点)になり得ます。
こうした状況においては、株と金(ゴールド)の値動きの関係において、教科書や過去の常識と正反対のことが簡単に起きるため、安易に「教科書」や過去の常識に頼ってはいけません。
9月18日のFOMCを経て、米国で利下げが始まりました。以下の「緩和(利下げ)局面」に示したとおり、利下げ時に発生するドル安観測は、金(ゴールド)相場に「代替通貨」起因の上昇圧力をかけます(A)。
同時に、利下げは、個人や企業の資金調達を促し、景気回復・株価上昇の要因になります。この点は、金(ゴールド)相場に「代替資産」起因の下落圧力をかけます(C)。また、利下げとは別の文脈で進行しているウクライナ戦争の悪化、中東情勢のさらなる混迷をきっかけとした「有事ムード」が上昇圧力をかけます(B)。
足元、まさにAとBの上昇圧力が、Cの下落圧力をかき消し、金(ゴールド)相場は反発色を強めています。史上最高値水準であっても、株価上昇時であっても、です。リーマンショックやコロナショックの直後に行われた金融緩和の際にも「株高・金(ゴールド)高」が発生しました。
米国の利下げをきっかけとした金(ゴールド)高の場合、円建て金(ゴールド)は、円高によって上値を抑えられやすくなります。ですが、急激な円高が発生しない場面においては、ドル建てに追随して上昇する可能性があると考えられます(上昇率はドル建てに及ばない)。
図:FRBの利上げ・利下げが及ぼす金(ゴールド)相場への影響
出所:筆者作成