[Vol.1821] 社会は今、空前の分断期にあるという事実

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。66.54ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,668.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は19,645元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年11月限は543.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1676.05ドル(前日比7.75ドル拡大)、円建てで7,712円(前日比34円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月1日 18時06分時点 6番限)
12,261円/g
白金 4,549円/g
ゴム 410.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,965円/mmBtu(24年12月限 10月01日17時53分時点)

●NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「社会は今、空前の分断期にあるという事実」
前回は、「毎年10月4日は投資脳を再点検する好機」として、毎年10月4日が「証券投資の日」であることについて、確認しました。

今回は、「社会は今、空前の分断期にあるという事実」として、自由民主主義指数(2023年)
を確認します。

今回から複数回にわたり、世界規模かつ長期視点の市場環境を確認します。投資脳を再点検する際の一助になれば幸いです。まずは「自由民主主義指数(2023年)」を確認します。

V-Dem研究所(スウェーデン)は、世界各国の民主主義の状況を数値化して多数の指数を公表しています。自由民主主義指数もその一つです。青が濃ければ濃いほど自由で民主的な度合いが高く、オレンジが濃ければ濃いほど民主的な度合いが低いことを意味します。

人口のシェアは、青が濃く民主的度合いが高い国が17%、オレンジが濃く民主的度合いが低い国が77%と、圧倒的に後者が優位です。率直に言って今、世界は民主主義が行き詰まり、分断状態にあります。民主主義をよしとする欧米が中心の西側(日本を含む)と、そうでない非西側の間に明確な溝が生じています。

民主的な度合いが高い国の数と、民主的な度合いが低い国の数の推移を確認すると、この分断が「2010年ごろ」から始まったことが分かります。

比較的平和とされる日本で暮らしていると世界が分断状態にあり、その分断が深化しつつあることなど想像ができないかもしれません。次回以降に述べますが、この分断深化は足元の物価高の一因です。そう考えると、多少なりとも世界分断が深化していることを実感できると思います。

図:自由民主主義指数(2023年)
図:自由民主主義指数(2023年)
出所:V-Dem研究所および国連のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。