2020年、OPEC結成60周年

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の上昇などで。58.44ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,466.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は12,505元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年01月限は463.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで561.05ドル(前日比5.35ドル拡大)、円建てで1,942円(前日比6円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(11月27日 18時00分頃 先限)
 5,111円/g 白金 3,169円/g 原油 40,280円/kl
ゴム 188.7円/kg とうもろこし 23,160円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「2020年、OPEC結成60周年」

今回は、OPEC(石油輸出国機構)が来年で結成60周年を迎えることについて書きます。

OPECは1960年9月14日(水)、イラクのバグダッドで産声を上げました。

結成のきっかけは、1959年2月、一方的に国際石油資本(メージャーズ)が、中東産原油の価格を、関係する中東産油国に了承なく引き下げたことと言われています。

同じ年の4月、アラブ諸国の産油国で構成される会議でメジャーズなどの石油会社に対する原油価格改定の事前協議を求める決議をしたものの、OPEC結成の前月(1960年8月)に、再度、一方的な値下げが行われたため、1960年9月にメジャーズに対して歩調を合わせて対応するためにOPECが誕生したとされています。

結成当時の加盟国、いわゆる原加盟国は、サウジ、イラン、イラク、クウェート、ベネズエラの5カ国でした。(現在の加盟国数は14)

加盟国が増えれば、多くの場合、OPEC全体の原油生産量は増加します。

また、以下のグラフのとおり、結成当時に比べて生産量が増えているのは、個々の加盟国の生産量が増加したことに加え、加盟国数が増加したためだと考えられます。

ただ、2000年ごろ以降は生産量が増加しても、シェアが40%前後で横ばいです。これは、非OPECの原油生産量が増加していることや、2017年以降については、これに加え、OPECが原油の減産を実施していることが原因と考えられます。

減産期間中にシェアを維持するためには、加盟国を増加させることが必要です。

その意味では、ブラジルがOPEC加盟を検討していることが注目されます。

現在のOPECには、減産をして原油価格を引き上げて収益を向上させたいという思惑と、増産をしてシェアを維持したい(あわよくば上昇させたい)という相反する思惑が、同居していると考えられます。

アラムコのIPOも絡み、60年目を迎える現在のOPECの状況は複雑化していると言えます。

図:OPECの原油生産量(左軸)と原油生産シェア(右軸)
OPECの原油生産量(左軸)と原油生産シェア(右軸)

出所:OPECのデータより筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。