週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は先週比0.13ドル安の57.98ドル、ブレント原油は0.06ドル高の63.57ドルとなった。

 前週末の海外原油は反落。減産延長の可能性から堅調な動きとなったが、米中協議への不透明感やドル高ユーロ安による割高感から利食い売りが出て上げ一服となった。

 週明け25日は反発。米中双方が第一段階の貿易合意に前向きな姿勢を示したことが相場を支えた。ただ、具体的な内容についての報道が乏しいことから上値は抑えられている。26日は続伸。引き続き米中通商協議への期待感が相場を押し上げた。また米石油在庫統計で原油在庫が減少予想となっていることも支援要因となった。昨年の傾向から米製油所への原油投入量がが増加しつつあり、原油在庫の取り崩し圧力が強まっている。27日は反落。EIA週報で原油在庫が増加したことが重しとなった。米原油生産量は日量1,290万Bまで拡大しており過去最高を更新したことや、ガソリン在庫が急増したことも圧迫要因となった。ただ米中協議への期待感や掘削リグ数の減少が下値を支える格好となった。東京時間28日朝にトランプ大統領が香港人権法案に署名して法案が成立した。中国は強く反発して報復措置を匂わせている。28日は米市場が感謝祭により休場、29日の米市場も短縮取引となり、目立った動きは見られなかった。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。