ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。4月25日の価格はキロあたり64.20バーツ程度、RSS号タイ主要港5月積価格は216.0~220.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、3月20日時点7,015トン(前旬比108トン増)。

 3月中旬の入出庫は入庫1,194トン、出庫1,086トン。

◆展開予想

 OSEゴムは小幅続落、上海ゴムは週半ばに前週安値を下回る場面があったものの週間では小幅上昇に転じる中、OSEゴム中心限月は戻り売り圧力強く280円台での値動きが続き、円高進行一服も終値で290円台回復は遠かった。株式は大幅上昇、パウエルFRB議長の続投と米の対中関税引き下げ観測を背景に買いが強まった。商品は金が史上最高値更新後に反落もその他貴金属はこじっかり、原油は反落、ドル円は一時140円割れも日米財務相が無難に終わり、ショートカバーもあってか143円台半ばまで円安ドル高が進行している。

 4月25日引け時点のRSS9月限(中心限月)は289.9円、TSR7月限(中心限月)は240.0円。週の高値はRSS295.0円/TSR240.0円、週の安値はRSS281.0円/TSR231.0円。

 現物価格は313円程まで上昇、現物市場は出物が少なくじり高傾向となる中、円安進行が換算を押し上げた。上海ゴム在庫は20万トン台維持も微減、米中間の実際の関税引き下げが決まらなければ動けない向きが多そうだが、在庫減少が続くかは注意が必要だろう。OSEゴム当先限は実勢でフラット水準となっており、海外市場の値動きが停滞する中で商いは低調だが産地対比での割安感は強まっている。産地では取引量が低調なままでシンガポールTSR20は逆鞘幅が拡大している。OSE・上海ゴム共に輸入採算を下回る価格推移が続いており、両国内在庫の消化が進めば今後の上昇要因となり得るか。海外ゴム市場・ドル円の動向に注意しながら、は押し目買い方針を維持したい。中心限月は285.0~315.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp