ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。5月8日の価格はキロあたり65.79~68.86バーツ程度、RSS号タイ主要港5月積価格は217.0~221.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、4月10日時点6,820トン(前旬比131トン減)。

 4月上旬の入出庫は入庫907トン、出庫1,038トン。

◆展開予想

 OSEゴムは続伸、上海ゴムは米中関税交渉を控えて様子見姿勢・価格低迷が継続するも、OSEゴムは産地価格の値上がりと日米金融政策現状維持決定後の円安ドル高進行を受けて値を切上げ、中心限月は週末にかけて300円台を回復しての引けとなった。株式は上昇、米英交渉が妥結し今後他国との相互関税率引き下げ方向へ向かうとの楽観的な見方からリスク選好が高まったか、商品は貴金属・原油共上昇、ドル円は当面の日米金利差が現状水準で維持されるとの見方が優勢となり、145円台まで円安ドル高が進行した。

 5月9日引け時点のRSS10月限(中心限月)は301.2円、TSR8月限(中心限月)は246.0円。週の高値はRSS305.0円/TSR246.0円、週の安値はRSS293.8円/TSR242.0円。

 現物価格は318円程、降雨の影響もあって出物が少なく上昇傾向を維持する中、円安進行も換算値を押し上げた。上海ゴム在庫は20万トン台維持も微減継続、引続き米中交渉待ちだが、現状の価格水準では在庫増加の動きは限定的と考えられ、来週公表の自動車生産・販売統計からまずは中国国内需給を確認したい。OSEゴム当先限は逆鞘化、4月末時点の指定倉庫在庫は増加しており短期的な需給は緩和する可能性があるが、輸入採算を下回る割安水準であることに変わりなく、SGX市場ではRSS・TSR共に逆鞘推移が続いていることも踏まえると、産地・現物価格の需給が緩和しなければ上昇基調継続となりやすいか。週明けは米中関税協議や為替動向に注意しながら押し目買い方針を維持したい。中心限月は290.0~320.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp