ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。5月22日の価格はキロあたり65.20バーツ程度、RSS号タイ主要港6月積価格は221.0~226.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、4月20日時点6,968トン(前旬比148トン増)。

 4月中旬の入出庫は入庫1,009トン、出庫861トン。

◆展開予想

 OSEゴムは4週続伸、上海ゴムは先週に米中関税引下げを受けて急反発した後は買いが続かず失速し、中心限月は再度15,000元台前半まで下落する中、OSEゴムはショートカバーの動きが継続し中心限月は一時328.5円まで値を切上げたが、現物価格の上昇一服や円高進行により上げ幅を縮小、320.0円で引けている。株式は小幅下落、日米超長期金利が上昇しリスク回避の動きが見受けられた。商品は貴金属が上昇も原油は反落、ドル円は週末時点では143円台での推移となっているが、一時142円台後半まで円高ドル安が進行した。

 5月23日引け時点のRSS10月限(中心限月)は320.0円、TSR8月限(中心限月)は246.0円。週の高値はRSS328.5円/TSR251.0円、週の安値はRSS306.9円/TSR246.0円。

 現物価格は320円程、降雨環境が続く中で売値は小幅に切り上がったものの成約量は増加しつつある。上海ゴム在庫は20万トン弱と小幅減少、先週の中国4月の自動車生産・販売は前月比こそ減少も前年同月比では増加傾向維持しているもののゴム商いの盛り上がりには繋がらなかった。OSEゴム当先限は逆鞘継続、納会前のポジション調整の影響もあろうが5月10日時点の指定倉庫在庫は5,000トン台を回復しており、またシンガポールTSRは期近の逆鞘が解消されつつあることから、目先の需給タイト感は薄れつつあるか。輸入採算面では新規入着呼び込みには物足りないが近傍であり、海外市場対比の割安感も薄れていることから、押し目買い方針は維持するもののポジション調整を検討したい。中心限月は310.0~330.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp