[Vol.1982] うなぎ上りのS&P500指数

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。OPECプラスの生産プランに関する報道などで。62.86ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。3,369.74ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)休場

上海原油(上海国際能源取引中心)休場

金・プラチナの価格差、ドル建てで2321.24ドル(前日比60.74ドル拡大)、円建てで10,858円(前日比25円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月2日 18時23分時点 6番限)
15,480円/g
白金 4,622円/g
ゴム 285.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「うなぎ上りのS&P500指数」
前回は、「下げ渋る原油、コメ高は続くか?」として、原油相場を取り巻く環境(4月2週目以降)を確認しました。

今回は、「うなぎ上りのS&P500指数」として、S&P500指数のショック発生時の下落率・回復までの年数などを確認します。

相場が不安定な中、金(ゴールド)への投資を検討する方も多いのではないでしょうか。「運用資産の何パーセントがよいのか?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。この件について、今後数回に分けて、現時点の筆者の意見を述べた上で、金相場の今後の展望について考えます。

まずは、多くの投資家が関心を寄せる米国の株価指数の一つである「S&P500指数」の推移を確認します。金(ゴールド)と原油といったコモディティ(国際商品)の推移と比べてみると、上昇が際立っており、「うなぎ上り」という言葉があてはまります。

S&P500指数は、長期視点では上昇傾向を維持しているものの、短中期視点では「ショック」が冠される大幅な下落が発生するケースがあります。以下は、S&P500指数において、2000年以降に発生した短中期的な大幅な下落です。

2000年9月に急落が始まり、2007年5月に回復が完了した「ITバブル崩壊・同時多発テロ」の時期や、2007年10月に急落が始まり、2013年4月に回復が完了した「世界金融危機(リーマンショック・欧州債務危機含む)」の時期は、下落率が50%程度にも及んだり、回復までの年数が5年を超えたりするなど、甚大な影響がありました。

しかし、2010年ごろ以降は、下落率は15%~35%程度に下がり、回復までの年数が0.13年(およそ1カ月半)~2年程度に短くなるなと、全体として、ショックの影響は小さくなっています。

図:S&P500指数のショック発生時の下落率・回復までの年数など
図:S&P500指数のショック発生時の下落率・回復までの年数など
出所:Investing.comのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。