週刊石油展望

　先週末のWTI原油は前週比0.01ドル高の63.48ドル、ブレント原油は1.20ドル高の67.60ドルとなった。

　前週末の海外原油は米露首脳会談を控えるなかで戻り売り優勢となり、軟調な推移となった。

　先週はロシアとウクライナの情勢が市場価格の上下に影響を与えた。また、原油在庫統計の減少により堅調な推移となった。週明け18日はウクライナのドローン攻撃によるドルジバ・パイプライン経由の供給が停止した報が相場を押し上げた。翌19日はロシアとウクライナの両首脳が2週間以内に停戦に向けた会談を行う準備を始めたと伝わったことから戦争終結への期待が高まり、上値を抑えた。翌20日はロシア軍がウクライナ領内に大規模な空爆を行ったと報じられ、ウクライナ和平交渉の先行き不透明感が高まった。さらに、APIＩ統計及びEIA統計において原油在庫の減少が示されたことが好感され、上げ幅を拡大する展開となった。

　週末にかけてはロシア軍がウクライナ領内に大規模な空爆を行ったと報じられたことで堅調な推移となった。


出所：みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート

　今週の原油相場は横ばい～やや上値重い推移が想定されそうか。OPECプラスによる増産を背景に供給過剰が警戒されているほか、米ドライブシーズンの終了が近づく中で需給緩和への思惑が高まっている。また、直近の好調な米経済指標を受けて利下げ期待が後退し、ドル高進行していることも重しとなりそうだ。本日のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長の講演があり、金利見通しについてヒントが得られる可能性があるため注視したい。支援材料としてはロシアとウクライナの停戦協議への動向が注視されている中で、両国ともに互いへの攻撃を強めており、停戦期待が後退していることが挙げられる。停戦期待が高まればロシアに対する制裁緩和への思惑から下落すると思われるが、交渉が停滞すれば下値は支えられそうだ。