週刊石油展望

　先週末のWTI原油は前週比0.94ドル安の63.17ドル、ブレント原油は1.41ドル安の66.72ドルとなった。

　前週末の海外原油は、米国のドライブシーズン終了による需要鈍化懸念が圧迫要因となり反落した。

　先週の原油相場はOPECプラスの増産観測を背景に上値重い推移となった。週明け1日は反発。米国がレーバーデーにより休場となるなか、ウクライナがロシア石油施設へドローン攻撃をしたことで、少なくともロシアの石油精製能力の17％相当が影響を受けたことが支援要因となった。2日は続伸。米財務省が、イラン産原油をイラク産と偽装して輸送していたとされるイラクとセントクリストファー・ネービスの二重国籍を持つ実業家が率いる海運会社と船舶ネットワークを制裁対象に指定したことから、供給懸念が意識された。3日は反落。OPECプラスが7日に開催される会合で、さらなる増産を検討する見通しとの報が重しとなった。また、米7月雇用動態調査が市場予想を下回る内容となったことから、労働市場の減速が意識されたことも嫌気された。4日は続落。引き続きOPECプラスの増産観測が意識されたほか、EIA統計で原油在庫が予想に反して積み増しとなったことが圧迫要因となった。


出所：みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート

　今週の原油相場は引き続き上値重い推移が想定される。ウクライナとロシアの空爆激化や、米国の利下げ期待が支えとなっているものの、ドライブシーズンの終了や原油在庫の増加から需給の緩みが意識されている他、7日のOPECプラス会合では増産が決定されたことも圧迫材料となっている。