原油反落。米主要株価指数の反落などで。57.71ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。4,242.10ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年05月限は15,185元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年01月限は439.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2556.1ドル(前日比12.90ドル縮小)、円建てで13,687円(前日比28円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月11日 18時24分時点 6番限)
金 21,539円/g
白金 7,852円/g
ゴム 329.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY原油先物 月足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「リーマンショック後の対応が分断深化の一因」
前回は、「国家の行動の動機は『法』から『権威』」へとして、自由度が高い民主主義に分類される国、閉鎖的な権威主義に分類される国の数を、確認しました。
今回は、「リーマンショック後の対応が分断深化の一因」として、世界の民主主義後退・分断深化を進めたリーマンショック後の西側・非西側の動きを、確認します。
時は2008年にさかのぼります。この年、リーマンショックが発生しました。史上まれに見る規模のショックとなった同ショックの後、西側諸国は経済の回復を急ぎました。経済回復を急ぐ中で、西側諸国は新しい技術を一般化させたり、新しい考え方をいくつか提唱したりしました。
具体的には、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や人工知能(AI)、環境・社会・企業統治(ESG)や多様性・公平性・包摂性(DEI)などです。確かにこうした新しい技術や考え方は社会を西側諸国が目指す方向に向かわせました。実際にこれが功を奏し、経済回復が進んだことも事実です。
しかし同時に、SNSは世界中でデマ(ニセ情報)や、誹謗中傷の温床になり、AIは人類から思考を奪い、ESGとDEIはそれらを実行しようとしない個人や企業などを一方的に批判するキャンセルカルチャーのきっかけとなりました。
デマ、誹謗中傷、思考低下、キャンセルカルチャーは、いずれも、法にのっとり、自由闊達に議論をし、時間をかけてお互いを認め合い、熟慮の上、妥協点を見いだす民主主義と正反対を向いています。法の支配の低下の主因、世界分断の遠因と言っても言い過ぎではありません。
西側諸国は、こうした新しい技術や考え方がもたらすマイナス面に直面しただけでなく、急速に進めたESGのE(環境)への対策のため、既存産業へのマイナスの影響にも向き合わなければならなくなりました。民主主義の後退も、既存産業の縮小も、いわば西側諸国の自己矛盾だと言えます。
西側諸国が自己矛盾と向き合う中、非西側諸国はどんどんと勢力を拡大しました。西側諸国の新しい技術・考え方に相乗りし、活動するようになりました。西側諸国がESGのE(環境)への対策を進めると言えば、西側諸国の生産能力を上回る膨大な量の太陽光パネルや電気自動車(EV)を生産するようになりました。
また、ESGのS(社会)への対策を進めると言えば、自国への政治的とみられる干渉を「内政干渉」と激しく反発するようになりました。新しい考え方を提唱した西側諸国が、後戻りできなくなったことを確認した上で、それらを逆手に取るようにして勢力を拡大させてきたと言えなくもありません。
2020年の新型コロナウイルスのパンデミックの際も、混乱に乗じて勢力拡大を図ったふしがあります。ウクライナ戦争勃発後は、西側諸国がインフレであえぐ中、「資源の武器利用」を進め、長期視点のインフレを継続させていると、考えられます。
非西側の産油国の集団であるOPECプラスの原油の減産も、中国のレアアースの輸出制限検討も、武器利用の側面があります。また、ウクライナ戦争勃発後、西側諸国の多くがESGのS(社会)の観点から、戦争を勃発させたロシアからエネルギーや農産物、金属などの購入を控えるようになりました。この点もまた、西側諸国が後戻りできなくなっていることを逆手にとった資源の武器利用であると言えます。
世界分断深化時の、資源を持つ非西側諸国の思惑は、シンプルです。「資源の武器利用」を行うことで、複数のメリットを享受できます。
資源の供給を絞ることで、西側諸国の経済活動を抑え込んだり、需給を引き締めて相場に上昇圧力をかけてインフレを長期化させたりすることができます。分断深化時の西側への攻撃手段としては、大変に強力だと言えます。
リーマンショックから現在に至るまで、西側諸国の対応、それに乗じた非西側諸国の対応が何重にも重なり、それらが複雑に影響し合ってきました。
西側諸国がもたらした新しい技術は人類の生活インフラと化し、もはや取り除くことは不可能です。提唱した新しい考え方も、莫大(ばくだい)な資金を用いて設備投資・啓蒙を行っているため、なかったことにはできません。非西側諸国には、戦争を勃発させたり悪化させたりしている国さえあります。
お互い、もう後には引けないのだと思います。だからお互い、先に進むしかないのかもしれません。このことは、すでに世界の民主主義後退・分断深化が常態化する場面に入っていることを暗示していると言えます。
図:世界の民主主義後退・分断深化を進めたリーマンショック後の西側・非西側の動き

出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。4,242.10ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年05月限は15,185元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年01月限は439.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2556.1ドル(前日比12.90ドル縮小)、円建てで13,687円(前日比28円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月11日 18時24分時点 6番限)
金 21,539円/g
白金 7,852円/g
ゴム 329.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY原油先物 月足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「リーマンショック後の対応が分断深化の一因」
前回は、「国家の行動の動機は『法』から『権威』」へとして、自由度が高い民主主義に分類される国、閉鎖的な権威主義に分類される国の数を、確認しました。
今回は、「リーマンショック後の対応が分断深化の一因」として、世界の民主主義後退・分断深化を進めたリーマンショック後の西側・非西側の動きを、確認します。
時は2008年にさかのぼります。この年、リーマンショックが発生しました。史上まれに見る規模のショックとなった同ショックの後、西側諸国は経済の回復を急ぎました。経済回復を急ぐ中で、西側諸国は新しい技術を一般化させたり、新しい考え方をいくつか提唱したりしました。
具体的には、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や人工知能(AI)、環境・社会・企業統治(ESG)や多様性・公平性・包摂性(DEI)などです。確かにこうした新しい技術や考え方は社会を西側諸国が目指す方向に向かわせました。実際にこれが功を奏し、経済回復が進んだことも事実です。
しかし同時に、SNSは世界中でデマ(ニセ情報)や、誹謗中傷の温床になり、AIは人類から思考を奪い、ESGとDEIはそれらを実行しようとしない個人や企業などを一方的に批判するキャンセルカルチャーのきっかけとなりました。
デマ、誹謗中傷、思考低下、キャンセルカルチャーは、いずれも、法にのっとり、自由闊達に議論をし、時間をかけてお互いを認め合い、熟慮の上、妥協点を見いだす民主主義と正反対を向いています。法の支配の低下の主因、世界分断の遠因と言っても言い過ぎではありません。
西側諸国は、こうした新しい技術や考え方がもたらすマイナス面に直面しただけでなく、急速に進めたESGのE(環境)への対策のため、既存産業へのマイナスの影響にも向き合わなければならなくなりました。民主主義の後退も、既存産業の縮小も、いわば西側諸国の自己矛盾だと言えます。
西側諸国が自己矛盾と向き合う中、非西側諸国はどんどんと勢力を拡大しました。西側諸国の新しい技術・考え方に相乗りし、活動するようになりました。西側諸国がESGのE(環境)への対策を進めると言えば、西側諸国の生産能力を上回る膨大な量の太陽光パネルや電気自動車(EV)を生産するようになりました。
また、ESGのS(社会)への対策を進めると言えば、自国への政治的とみられる干渉を「内政干渉」と激しく反発するようになりました。新しい考え方を提唱した西側諸国が、後戻りできなくなったことを確認した上で、それらを逆手に取るようにして勢力を拡大させてきたと言えなくもありません。
2020年の新型コロナウイルスのパンデミックの際も、混乱に乗じて勢力拡大を図ったふしがあります。ウクライナ戦争勃発後は、西側諸国がインフレであえぐ中、「資源の武器利用」を進め、長期視点のインフレを継続させていると、考えられます。
非西側の産油国の集団であるOPECプラスの原油の減産も、中国のレアアースの輸出制限検討も、武器利用の側面があります。また、ウクライナ戦争勃発後、西側諸国の多くがESGのS(社会)の観点から、戦争を勃発させたロシアからエネルギーや農産物、金属などの購入を控えるようになりました。この点もまた、西側諸国が後戻りできなくなっていることを逆手にとった資源の武器利用であると言えます。
世界分断深化時の、資源を持つ非西側諸国の思惑は、シンプルです。「資源の武器利用」を行うことで、複数のメリットを享受できます。
資源の供給を絞ることで、西側諸国の経済活動を抑え込んだり、需給を引き締めて相場に上昇圧力をかけてインフレを長期化させたりすることができます。分断深化時の西側への攻撃手段としては、大変に強力だと言えます。
リーマンショックから現在に至るまで、西側諸国の対応、それに乗じた非西側諸国の対応が何重にも重なり、それらが複雑に影響し合ってきました。
西側諸国がもたらした新しい技術は人類の生活インフラと化し、もはや取り除くことは不可能です。提唱した新しい考え方も、莫大(ばくだい)な資金を用いて設備投資・啓蒙を行っているため、なかったことにはできません。非西側諸国には、戦争を勃発させたり悪化させたりしている国さえあります。
お互い、もう後には引けないのだと思います。だからお互い、先に進むしかないのかもしれません。このことは、すでに世界の民主主義後退・分断深化が常態化する場面に入っていることを暗示していると言えます。
図:世界の民主主義後退・分断深化を進めたリーマンショック後の西側・非西側の動き

出所:筆者作成
