ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~10トン。9月11日の価格はキロあたり58.20バーツ、RSS号タイ主要港10月積価格は210.0~214.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、8月20日時点6,818トン(前旬比131トン増)。

 8月中旬の入出庫は入庫774トン、出庫643トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反落、上海ゴムは材料不明ながら週明けから戻り売りに押されると週間を通じて売り優勢となり、中心限月は16,000元を割込む中で、OSEゴムも週明け高値スタート後は売りに押され中心限月は一時314.7円まで値を切下げる場面があった。株式は日米で大幅上昇、9月FOMCでの利下げが確実視される中で米長期金利が低下しリスクオンの動きが広がった模様。商品は金を中心に上昇継続も原油は鯨幕相場となり方向感に欠ける展開、ドル円は米長期金利の低下もあって147円台半ば程度まで円高ドル安が進行した。

 9月12日のRSS3号2月限(中心限月)は終値316.3円、週高値324.9円、週安値314.7円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,855、週高値16,345、週安値15,840であった。

 現物価格は313.0円程と先週から310円台前半で膠着、供給は増加しているとみられるが現物市場の商いは減少、既存契約分が優先されているか。上海ゴム指定倉庫在庫は15.2万トン弱まで大きく減少、8月の中国自動車生産・販売は前月比で増加に転じており、需要の強さが続いているか。OSEゴム1-6番限の逆鞘幅は概ね横ばい、国内指定倉庫在庫減少が一服し、期近は輸入採算近傍での推移となっており先限下落時には連動した売りが入ったことで全限月に下押し圧力がかかった。タイでは天候が回復傾向にあり供給面の不安は後退も安値売りの向きは少なく、TSR20も順鞘傾向を維持しつつ拡大には歯止めがかかっている。今週の下落で輸入採算面では小幅に割安水準となっており売り妙味は先週比で薄れた格好、上海ゴム在庫減少に伴う価格変動に注意しながら慎重に取引を進めたい。中心限月は310.0~325.0円を予想する。
みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp