ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は10~20トン。10月24日の価格はキロあたり55.05~55.81バーツ、RSS号タイ主要港11月積価格は204.0~206.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、10月10日時点5,860トン(前旬比14トン増)。

 10月上旬の入出庫は入庫1.206トン、出庫1,192トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反落、上海ゴムは週前半こそ上値トライの展開となり一時15,600円台まで上昇したが週末にかけて材料不明ながら15,075元まで急反落する中で、OSEゴム中心限月は週半ばに一時317.4円まで上昇した後、上海安につれて310円台を僅かに割込んで引けている。株式は概ね上昇、FRBは利下げもタカ派会見が米株の上値抑制要因となる一方、日銀はハト的との見方が多く日本株指数は史上最高値を更新、商品は貴金属が下落一服も原油は軟調、ドル円は154円台まで前週比1円以上円安ドル高が進行している。

 10月31日のRSS3号3月限(中心限月)は終値309.9円、週高値317.4円、週安値309.6円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,115、週高値15,650、週安値15,115であった。

 オファー価格は316円弱に上昇、小幅な現物価格上昇に加え円安による押上げ効果が大きかった。上海ゴム受渡可能在庫は12.1万トン程に減少、指定倉庫在庫も16.2万トン台に減少と在庫取り崩しが続いており急落の背景は今のところ不明。OSEゴム1-6番限は週末終値では逆鞘転換、指定倉庫在庫は小幅に増加も下落局面で期近限月に買いが見受けられた。主要産地では断続的に降雨が観測されており小幅ではあるが成約量が減少し価格は上昇、TSR20は緩やかな逆鞘水準を維持しており大きな変化はみられない。輸入採算面では円安進行の影響で期近中心に割安感は強く、現物価格下落と円高進行による割安感の解消が進まなければ今後の新規入着は遠のきそうだ。中心限月は305.0~320.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp