[Vol.2099] 「時間軸」が思考固定のポイント

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。59.62ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,044.51ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年01月限は15,250元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年01月限は455.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2501.91ドル(前日比24.09ドル縮小)、円建てで13,614円(前日比63円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月20日 17時1分時点 6番限)
20,927円/g
白金 7,313円/g
ゴム (まだ出来ず)
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『時間軸』が思考固定のポイント」
前回は、「『思考停止』を『思考固定』と捉える」として、現代版、金(ゴールド)投資における「思考停止・固定」のさせ方を、確認しました。

今回は、「『時間軸』が思考固定のポイント」として、金(ゴールド)関連の投資目的・手段・材料(イメージ)を、確認します。

目的(短期売買、長期資産形成)にも、手段(純金積立、投資信託、商品先物など)にも、材料(有事(伝統的)、代替資産、中央銀行など)にも、『時間軸』が存在します。その時間軸を合わせて金(ゴールド)投資を行うことが有効です。

以下の図は、金(ゴールド)関連の投資目的・手段・材料(イメージ)です。目的が短期売買であれば、手段は短期を前提とした個別株・上場投資信託(ETF)、あるいは商品先物・CFDがなじみます。その際に注目する材料は短期視点の材料(伝統的材料)です。

目的が長期資産形成であれば、手段は長期を前提とした個別株・ETF、あるいは投資信託、純金積立がなじみます。その際に注目する材料は長期視点の材料(非伝統的材料)です。

「目的・手段・材料の時間軸を合わせる」という思考で停止・固定することで、投資を開始した後に自己矛盾が生じることを大幅に軽減することが期待できます。

短期売買を目的としているのに、長期視点の材料の一つである中央銀行に注目したり、長期資産形成を目的としているのに、短期視点の材料の一つである「有事(伝統的)」に注目したりすると、実際の値動きと材料が及ぼす影響度の感覚が合わなくなります。

短期売買を目的としているのに、純金積立で積み立て設定をしたり、長期資産形成を目的としているのに、商品先物で売買したりすることも、自己矛盾の原因になります。

自己矛盾は投資効率を下げる大きな要因になり得ます。こうした自己矛盾を避けるためにも、思考を「目的・手段・材料の時間軸を合わせる」という状態で停止・固定することが必要です。

図:金(ゴールド)関連の投資目的・手段・材料(イメージ)
図:金(ゴールド)関連の投資目的・手段・材料(イメージ)
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。