[Vol.2121] 米国利下げはプラチナ相場に追い風

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。58.03ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。4,515.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年05月限は15,290元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年02月限は440.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2307.85ドル(前日比72.15ドル縮小)、円建てで12,729円(前日比8円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月23日 18時55分時点 6番限)
22,859円/g
白金 10,130円/g
ゴム 335.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NYプラチナ先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「米国利下げはプラチナ相場に追い風」
前回は、「2026年のプラチナ相場も強気継続か」として、ドル建てプラチナに関わる七つのテーマ(2026年)を、確認しました。

今回は、「米国利下げはプラチナ相場に追い風」として、FRB利下げ実施時に想定されるプラチナ市場を取り巻く環境を、確認します。

2026年に、前回述べた(1)金(ゴールド)相場の動向、(2)主要国の景気動向、(3)主要国の金融政策が、プラチナ相場にどのような影響を与えるかを考えます。

米国の中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策における議論の方向性が「利下げ」の状態が続けば、2025年と同様、(実際に利下げをしてもしなくても)以下の図式が目立つと考えられます。

かつて日本がそうだったように、金利水準が低いことは、お金の融通がしやすくなるという意味で、景気回復を促進する要因になり得ます。このため、人為的な金利の引き下げである「利下げ」は、景気回復のきっかけになり、ひいては当該国の株価指数を上昇させる要因になり得ます。

米国利下げ(思惑含む)→米国株高という流れの延長線上に、全需要の6割超を産業用(自動車向けを含む)の用途が占めるプラチナの需要増加観測の高まり→プラチナ価格上昇、という流れが想定されます(2)(3)。

同時に、米国利下げ(思惑含む)は、ドル安観測増幅→ドルと金(ゴールド)の対比で金(ゴールド)が優位になる思惑増幅→金(ゴールド)価格高という流れを強め、その延長線上に、貴金属という同じグループに属し、そのリーダー的存在の金(ゴールド)価格の上昇→同じグループのプラチナもつられて上昇、という図式が見えやすくなります(1)(3)。

図:FRB利下げ実施時に想定されるプラチナ市場を取り巻く環境
図:FRB利下げ実施時に想定されるプラチナ市場を取り巻く環境
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。