原油版トランプバズーカが放たれたタイミングを確認

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。61.29ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,508.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は12,810元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年02月限は484.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで558.75ドル(前日終値比3.25ドル縮小)、円建てで1,946円(前日終値比0円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月26日 17時10分頃 先限)
 5,289円/g 白金 3,343円/g 原油 42,670円/kl
ゴム 198.3円/kg とうもろこし 24,720円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「原油版トランプバズーカが放たれたタイミングを確認」

以前の「トランプ大統領が再選を目指して行う施策の原油相場への影響」では、大統領選挙に向けたトランプ大統領の行動が与える、原油相場への影響について述べました。

原油相場に下落圧力をかけ、一般の有権者に好印象を与える減税の意味を持つ原油価格の下落を目指す可能性があると書きました。

トランプ大統領は、2018年に何度も、原油高や減産を行って原油価格の上昇を目論むOPECを批判しました。そのツイートを筆者は“原油版トランプバズーカ”と呼んでいます。

以下のグラフは、トランプの大統領就任から先月までの、米国のガソリン小売価格とWTI原油価格の推移を示したものです、

原油版トランプバズーカは、WTI原油価格が1バレルあたり70ドル前後、米国内のガソリン小売価格が1ガロンあたり270から280セント程度で推移したときにみられました。

その内容は以下のとおりです。













  

  

原油価格は高い、価格を下げろ、OPECは良くない、などと繰り返しています。

仮に来年2020年も原油相場が75ドル近辺で推移した際は、同様のツイートがみられる可能性があります。

図:WTI原油価格と米国内のガソリン小売価格の推移および、原油版トランプバズーカのタイミング
WTI原油価格と米国内のガソリン小売価格の推移および、原油版トランプバズーカのタイミング

出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。