FOMCを受けた金(GOLD)見通し。

著者:菊川 弘之
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 2020年の米金融政策については、(1)金融政策の枠組みの見直し、(2)隠れQEの終わらせ方、(3)空席となっている2人の理事と大統領選挙後の次期FRB議長人事が注目材料。ホワイトハウスは1月16日、トランプ米大統領が金融緩和に積極的な欧州復興開発銀行のジュディ・シェルトン前米国代表と、セントルイス連邦準備銀行のクリストファー・ウォラー副総裁を指名すると発表。ジュディ・シェルトン氏は、かつて金本位制への復帰を提唱した人物。ここ数年は、トランプ大統領の主張に沿う形で、大胆な利下げを主張している。中期的には、米大統領選挙以降、22年2月に任期が切れるパウエル議長の後任が注目される。

 新型肺炎感染拡大が一服してくると、市場の関心は米大統領選挙に移行する。米大統領選の民主党候補の公認指名争いで、全米ではバイデン前副大統領のリードが続くものの、最新の世論調査で、初戦となる党員集会(2月3日)が開かれるアイオワ州と、続いて予備選が行われるニューハンプシャー州(2月11日)で、バーニー・サンダース上院議員が優位に立った。「アイオワの勝者が大統領選を制す」と言われるアイオワ州の党員集会、続くニューハンプシャー州予備選で、左派候補に注目が集まると、史上最高値圏にあるNY株価市場の利食いの材料となるかもしれない。ドル安・株安となれば、NY金にとっては強気要因。

 NY金も、東京金も、年初に出来高を伴って高値を付けた後は、値幅ではなく、日柄調整に入っている。ボリンジャーバンドは収れん中で放れ待ち。終値ベースで、ネックライン(東京金は、1月10日安値。NY金は1月14日安値)を維持する限り、昨年末に発生した上昇トレンドが継続する状態。ボリンジャーバンドの収れんは、その期間が長ければ長いほど、放れた際の値動きは大きくなる。東京・NYのダブルチェックでダマシを避けたい。
 

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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