原油反発。米主要株価指数の反発などで。63.21ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。3,387.30ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年09月限は13,655元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年07月限は468.2元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2301.65ドル(前日比4.55ドル縮小)、円建てで10,870円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月4日 18時06分時点 6番限)
金 15,664円/g
白金 4,794円/g
ゴム 293.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「株価とコモディティ価格の相違点」
前回は、「米国債の『逃避先』としての地位が低下」として、S&P500指数のショック発生から回復までに要した期間における、NY金先物と米国債の騰落率を確認しました。
今回は、「株価とコモディティ価格の相違点」として、SNSが及ぼした情報の受け手と発信者の関係への影響を確認します。
コモディティ市場では基本的に、生産者である売り手と消費者である買い手の立場は、ほぼ平等です。このため、一方的な価格の上昇や下落は起きにくい傾向があります(コモディティの世界では、株式の世界と異なり、上昇が正義ではない)。
一方で、以前の「[Vol.1982] うなぎ上りのS&P500指数」で述べたとおり、S&P500指数は長期視点で「うなぎ上り」状態です。この「うなぎ上り」状態は2010年ごろから始まりました。2010年ごろ以降、S&P500指数がうなぎ上りになる条件が目立ち始めたことがうかがえます。
多くの株式市場の専門家は「株式市場は思惑で動く」と口にします。そのため、株式市場で「思惑」と「実態」どちらが優先されているのか、と問われれば「思惑」と返答することになるでしょう。
このことから、2010年ごろ以降のうなぎ上りを説明するためには、同じタイミングで強い「正の思惑(=期待)」が、株式市場にもたらされたと考えることになります。
何がきっかけで株式市場に強い正の思惑がもたらされたのでしょうか。そのタイミングが2010年ごろである点から、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)がそのきっかけの一つとなったと考えられます。
以下の図のとおり、2010年ごろ以前は、情報の受け手と情報の発信者は、「良質な情報をたくさん」という点で一致していました。しかし、2010年ごろからSNSが世界的に普及しはじめると、情報の受け手は、連想しやすい、簡易的な、期待に応えてくれる、美しくて楽しい情報、つまり「見たい情報」を見たいと思うようになりました。
そして、情報の発信者は、複雑さや懸念がない、エンターテインメント性がある、夢を抱ける情報、つまり「受け手が見たい情報」を見せてあげたいと思うようになりました。
受け手と発信者、双方に変化が生じた結果、世の中に、保守的で、過程や本質を軽視した情報が含まれるようになりました。そして一部で、発信者の人気取り(ポピュリズム)が横行するようになりました。
こうしたSNSをきっかけとした情報の受け手と発信者の関係の変化によって、世の中で強い「正の思惑」が生まれ、思惑を優先しやすい株式市場に影響が及び、突出した「うなぎ上り」が生じたと、筆者はみています。
このように考えれば、突出したうなぎ上りは、情報通信や行動心理学などを含んだ社会学的な側面からのアプローチによってのみ、説明することができるといえます(経済学だけで、うなぎ上りを説明することはできない)。
その意味では、SNSが強い「正の思惑」を提供し続ける限り、S&P500指数の長期視点の上昇は、継続する可能性があるといえます。もちろん、短中期的なショックをこなしつつ、です。
図:SNSが及ぼした情報の受け手と発信者の関係への影響

出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。3,387.30ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年09月限は13,655元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年07月限は468.2元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2301.65ドル(前日比4.55ドル縮小)、円建てで10,870円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月4日 18時06分時点 6番限)
金 15,664円/g
白金 4,794円/g
ゴム 293.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「株価とコモディティ価格の相違点」
前回は、「米国債の『逃避先』としての地位が低下」として、S&P500指数のショック発生から回復までに要した期間における、NY金先物と米国債の騰落率を確認しました。
今回は、「株価とコモディティ価格の相違点」として、SNSが及ぼした情報の受け手と発信者の関係への影響を確認します。
コモディティ市場では基本的に、生産者である売り手と消費者である買い手の立場は、ほぼ平等です。このため、一方的な価格の上昇や下落は起きにくい傾向があります(コモディティの世界では、株式の世界と異なり、上昇が正義ではない)。
一方で、以前の「[Vol.1982] うなぎ上りのS&P500指数」で述べたとおり、S&P500指数は長期視点で「うなぎ上り」状態です。この「うなぎ上り」状態は2010年ごろから始まりました。2010年ごろ以降、S&P500指数がうなぎ上りになる条件が目立ち始めたことがうかがえます。
多くの株式市場の専門家は「株式市場は思惑で動く」と口にします。そのため、株式市場で「思惑」と「実態」どちらが優先されているのか、と問われれば「思惑」と返答することになるでしょう。
このことから、2010年ごろ以降のうなぎ上りを説明するためには、同じタイミングで強い「正の思惑(=期待)」が、株式市場にもたらされたと考えることになります。
何がきっかけで株式市場に強い正の思惑がもたらされたのでしょうか。そのタイミングが2010年ごろである点から、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)がそのきっかけの一つとなったと考えられます。
以下の図のとおり、2010年ごろ以前は、情報の受け手と情報の発信者は、「良質な情報をたくさん」という点で一致していました。しかし、2010年ごろからSNSが世界的に普及しはじめると、情報の受け手は、連想しやすい、簡易的な、期待に応えてくれる、美しくて楽しい情報、つまり「見たい情報」を見たいと思うようになりました。
そして、情報の発信者は、複雑さや懸念がない、エンターテインメント性がある、夢を抱ける情報、つまり「受け手が見たい情報」を見せてあげたいと思うようになりました。
受け手と発信者、双方に変化が生じた結果、世の中に、保守的で、過程や本質を軽視した情報が含まれるようになりました。そして一部で、発信者の人気取り(ポピュリズム)が横行するようになりました。
こうしたSNSをきっかけとした情報の受け手と発信者の関係の変化によって、世の中で強い「正の思惑」が生まれ、思惑を優先しやすい株式市場に影響が及び、突出した「うなぎ上り」が生じたと、筆者はみています。
このように考えれば、突出したうなぎ上りは、情報通信や行動心理学などを含んだ社会学的な側面からのアプローチによってのみ、説明することができるといえます(経済学だけで、うなぎ上りを説明することはできない)。
その意味では、SNSが強い「正の思惑」を提供し続ける限り、S&P500指数の長期視点の上昇は、継続する可能性があるといえます。もちろん、短中期的なショックをこなしつつ、です。
図:SNSが及ぼした情報の受け手と発信者の関係への影響

出所:筆者作成