週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は先週比1.92ドル安の51.13ドル、ブレント原油は4.03ドル安の55.19ドルとなった。

 前週末の海外原油マーケットは、ダウ平均が600ドル下落と大幅安となる中でリスク回避の動きが進み売られる展開となった。米国が中国への渡航警戒レベルを4段階で最も高い渡航禁止に引き上げ、航空会社の中国便の運航も見送られていることから原油需要の後退が警戒された。

 週明けは、新型コロナウィルスの影響で多くの中国企業が営業再開を見合わせており、中国経済への打撃が警戒される中で引き続き売りが優勢となった。また、中国国営石油会社のシノペックが今月の原油処理量を日量60万B削減すると発表したことも下押し材料。4日は、米株式市場の上昇で堅調に推移する場面も見られたが戻りは売られ、結局マイナスサイドまで売り込まれた。英石油大手BP社CFOが2020年の石油需要は日量30~50万B減少する可能性があると述べるなど、石油需要の減少が懸念されていることが嫌気された模様だ。5日はようやく反転。新型コロナウィルスについて、英国でワクチン開発に大きな進展があったと伝わったほか、中国の浙江大学が有効な治療薬を発見したと報じられたことが好感され反発した。また、株式相場が年初来高値に迫る勢いだったことも好感された。6日も、株式相場が最高値を更新するなど引き続きリスク選好の動きが支えとなったほか、OPECプラスが暫定的に減産幅を日量60万B拡大することを勧告したことが好感され上昇した。ただし、ロシアが減産拡大に消極的と報じられる中で内容を見極めたいとの思惑も強く、高値からは上げ幅を縮小する展開となった。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。