米国の原油生産量、初の日量1300万バレル到達

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。50.69ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,579.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は11,430元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年04月限は406.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで611.45ドル(前日比7.15ドル拡大)、円建てで2,143円(前日比7円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(2月13日 19時9分頃 先限)
 5,552円/g 白金 3,409円/g 原油 37,400円/kl
ゴム 183.9円/kg とうもろこし 23,300円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米国の原油生産量、初の日量1300万バレル到達」

前回は「現在の減産は非OPECよりも、OPEC側の負担が大きい」として、個別の国ごとの現在の減産のルールを確認しました。

今回は「米国の原油生産量、初の日量1300万バレル到達」として、米国に目を移し、、EIA(米エネルギー省)が今週火曜日(2月11日)に公表した短期見通しから、米国の原油生産量に注目します。

EIAの短期見通しは、各種エネルギー品目の生産量や在庫、価格などの各種データの、翌年12月までの見通しを含む統計です。

米国の原油生産量は、短期見通し以外に、別の月次統計でも確認することができます。

これらを組み合わせ、以下のとおり、1920年1月から2021年12月までの、月次の米国の原油生産量のグラフを作成しました。

これによると、2020年1月に日量1301万バレルとなり、統計史上初めて、米国の原油生産量が日量1300万バレルを超えました。

2010年前後に始まった米シェール革命による生産量の増加が継続しており、日量500万バレル程度だった2007年前後に比べおよそ2.6倍になりました。

そして、EIAは、この増加傾向は2021年12末まで続く、という見通しを示しています。

今週公表された短期見通しでは、2021年12月に日量1407万バレル、つまり、日量1400万バレル台に達するとしています。

2014年半ばから2016年末にかけて、原油相場が急落・低迷しましたが(逆オイルショック)、その頃は、米シェール業者の採算価格は70ドル前後と言われました。

しかし、現在、原油相場が50ドル台でも生産量が増加し続けている、ということは、明らかに当時よりは、低コストで生産することが可能になったと言えます。

この状態で、仮に、今よりも原油相場が上昇した場合、米国の原油生産量の増加のスピードは、さらに増す可能性があります。

引き続き、米国の原油生産量に、注目していきたいと思います。

図:米国の原油生産量 単位:百万バレル/日量
米国の原油生産量

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。