週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は先週比0.34ドル高の51.47ドル、ブレント原油は0.46ドル高の55.65ドルとなった。

 前週末の海外原油は、クルーズ船での新型肺炎の集団感染や、自動車業界のサプライチェーンに対する懸念から軟調な推移となった。また、株式相場の上昇が一服し反落したことも重しとなった。

 先週はコロナウィルス感染拡大への懸念は引き続き弱材料となったものの、株価の上昇やOPECプラスのの減産期待から上昇すると週間ベースではプラスでの推移となった。週明けは新型コロナウィルスの影響で中国の景気減速ペースが早まるとの懸念や、自動車業界のサプライチェーンに影響が出始めていることなどが嫌気され軟調な推移となった。翌11日は押し目買いの動きから買われると、感染者数の拡大ペースが鈍化する兆候にあると伝わったこと安心感が広がり上昇した。また、中国当局の専門家チームの一人が感染拡大は今月でピークアウトを迎えるとの予想を示したことで株式市場の上昇したことも下支えとなった。週中も買い戻しの流れが続くと、コロナウィルス感染拡大の鎮静化期待や株価の上昇で堅調な推移となった。この日発表のあったEIA統計では、原油在庫は予想より増加していたものの製品在庫が予想以上に減少してことが好感された。週末にかけては中国湖北省が発表したコロナウィルスの感染者が急増したのを受け、上げ幅を縮小する場面も見られたが、OPECプラスの減産期待から買い戻しが優勢となりプラスサイドでの推移となった。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。