週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場は、基調的にはしっかりとした推移となるだろう。2日のトランプ米大統領の介入により、これまでの安値低迷とは雰囲気が一変しており、目先の落ち着きどころを探るかたちとなりそうだ。トランプ米大統領は、プーチン露大統領及びサウジのムハンマド皇太子との電話会談により原油市場への介入が顕著になってきた。大手シェール企業の破産が報じられ、また米掘削稼働リグ数の大幅減少もあり、価格上昇のためにいよいよ本格的に動き始めた印象である。サウジも、前述の通りOPECプラスに対して緊急会合の開催を要請したことが伝えられており、これまでのように戻りを売りにくい環境となっている。とはいえ、新型コロナウィルスにより需要が大幅減少しているのも事実で、この先の主要産油国の発言・動きを軸に、目先は上げ材料が素直に買われやすい展開が想定される。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。