原油相場が“世界協調減産合意”でも急騰しない理由④

著者:吉田 哲
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原油反落。石油の消費減少量の拡大懸念などで。18.62ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,698.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,050元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年06月限は253.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで907.9ドル(前日比30.5ドル縮小)、円建てで3,237円(前日比15円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(4月17日 19時29分頃 先限)
 5,787円/g 白金 2,550円/g 原油 25,060円/kl
ゴム 153.8円/kg とうもろこし 22,550円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「原油相場が“世界協調減産合意”でも急騰しない理由④」

今回は、前回の「原油相場が“世界協調減産合意”でも急騰しない理由③」に続き、OPECプラスが協調減産を実施することを決定したのにも関わらず、原油価格が急騰していないことについて考えます。

今回は4つ挙げた理由の4つ目の“4.期待された米国が現実的に減産に協力できないことが分かりつつあるため”について書きます。

米国も減産に参加する旨の報道があり、減産はシェール主要国を巻き込んだ世界規模のものだ、とする考え方がありますが、実際は異なると筆者は考えています。

米シェール企業は先進国である米国の一企業であり、サウジアラムコのような国営の企業ではないため、米国政府が米シェール企業に産油量を調節するよう、働きかけはできないとみられます。

また、反カルテル(関係者間で生産量を調整して、価格や数量の面で消費者にマイナスの影響を与える行為)という観点からも、米国政府も米シェール企業も、進んで原油価格を操作することにつながる減産に加担するとはないと筆者は思います。

この点で言えば、米シェールは昨年秋から目立っているシェール主要地区の開発指標の鈍化を受け、すでに生産量の減少がはじまったとみられますが、これは、いわゆる減産(人為的な生産調整による生産減少)ではなく自然減であるため、カルテルには当たらないと考えられます。

以上、合計4回に分けて、OPECプラスが協調減産を実施することを決定したのにも関わらず、原油価格が急騰していない理由(4点)を述べました。

急騰していないばかりか、足元、18ドル台まで、原油価格は下落しています。足元、専門機関が2020年の石油消費量の見通しを示し、市場が悲観的になっている旨の報道があります。(4つ述べたうちの2つ目に関連)

原油相場は20ドルをキープすることすら、難しいのかもしれません。

図:NY原油価格の推移 単位:ドル/バレル
NY原油価格の推移

出所:CMEのデータをもとに筆者推計

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。