新型コロナによる世界的な先行き不安増大で、金ETFに資金が流入

著者:玉川 博一
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 中央銀行の金購入は、2018-19年の大幅買い付けから、今年なってからは、低調にとどまっている。しかし金ETFへの資金流入は相変わらず活発である。

 2020年1-3月期だけで世界全体の金ETFは298トンも増加した。3月だけでも150.9トンの激増となった。

 4月になっても勢いは衰えず、世界最大シェアのSPDRゴールドシェアーズ金ETF残高は7年ぶりに1000トン台の大台を超え、4/21現在1033.39トンと3月末からわずか3週間で66.39トンも増加し、投資資金の受け皿となっている。

 世界的な金融緩和政策、利下げ傾向が実物資産の金相場を押し上げ、さらに新型コロナウイルスCovid-19の感染爆発によって、実体経済の減速、先行き不安から、リスク資産から安全資産の金へのシフトが続いている。2月中旬はCovid-19の死亡者が2000人超えで爆発的に金が買われ、その後の株大暴落で換金売りで金も暴落したが、4月に入っての米国、特にニューヨーク州での感染爆発で見直し買いが入り続けている。米国感染者数は3/20に初めて1万人を超えてわずか1ヶ月程度で80倍に膨らんだ。日本の感染者数も米国に1ヶ月遅れで1万人を超え、感染爆発前夜である。

 東京金先限価格は、4/17に高値5997円まで値を飛ばしたが、6000円の壁に跳ね返された。利食い売りで反落となったが、近いうち再度6000円の大台にチャレンジしてくるものと思われる。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

このコラムの著者

玉川 博一(タマガワ ヒロカズ)

TOCOM認定商品アナリスト(石油、貴金属)。
乙種4類危険物取扱者。関西学院大学卒業後、三井物産Fにてマーケット分析に従事。平成20年より岡安商事㈱上席アナリスト。
現在岡安商事㈱法人デリバリー課で石油の商売やってます。
サッカー3級審判員、JFA公認D級指導者、サッカー3級インストラクター。