ローカル化が進むWTI、指標原油としての存在感が低下

原油
著者:吉田 哲
原油反発。主要株価指数の反発などで。11.91ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,722.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は9,890元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年06月限は206.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで936.9ドル(前日比9.9ドル縮小)、円建てで3,277円(前日比4円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(4月28日 19時31分頃 先限)
 5,853円/g 白金 2,576円/g 原油 19,100円/kl
ゴム 150.2円/kg とうもろこし 21,540円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「ローカル化が進むWTI、指標原油としての存在感が低下」

今回は「ローカル化が進むWTI、指標原油としての存在感が低下」として、世界の原油価格の指標である3つの原油の価格の推移に注目します。

以下のグラフは、WTI (NY)原油先物、北海ブレント先物、ドバイ原油先物(TOCOM)の価格推移について、2020年1月6日を100として指数化したものです。

今年の1月6日を100として指数化すると、3つの原油は、1月以降、いずれも下落基調にあることがわかります。

また、WTI原油先物は、先週、マイナス価格にいたった後、すぐに反発したものの、その後は北海ブレントやドバイ原油と違い、弱含んでいることがわかります。

つまり、世界の原油価格の指標と言われる3つの原油の中で、足元、WTIのみが弱い状況にあると言えます。

3つの原油でWTI原油先物のみ弱いのは、WTI原油が生産される米国における米国固有の問題が原因と考えられます。この問題は、先週のマイナス価格発生の原因でもあります。

在庫が飽和状態になりつつあることが、米国国内における原油のだぶつき感を強め、WTI原油のみ、弱くなっていると考えられます。

以前の「新型コロナ、超大型ハリケーン超え!?」で述べた、原油の消費量の減少、そして原油在庫の容量が一杯になりつつこと、米国国内の先物市場でマイナス価格がついた、など、全体的には、米国国内の事情が強く関わっているとみられます。

WTI原油は“ローカル化”が進んでいると、筆者は考えています。“世界の原油”としての指標性が低下している可能性に留意するタイミングに来ているのかもしれません。

原油相場を、景気の指標として見ている方は、ブレント原油を併用することが必要だと思います。

図:WTI、北海ブレント、ドバイ(TOCOM)、各原油の値動き(2020年1月6日を100として指数化)
WTI、北海ブレント、ドバイ(TOCOM)、各原油の値動き(2020年1月6日を100として指数化)

出所:CME、TOCOMなどのデータより筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。