原油反発。中東情勢の混迷による供給懸念などで。15.29ドル/バレル近辺で推移。 金反発。主要株価指数の反落などで。1,747.20ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,025元/トン付近で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年06月限は227.5元/バレル付近で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで963.55ドル(前日比9.45ドル縮小)、円建てで3,377円(前日比15円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(4月23日 19時43分頃 先限) 金 5,968円/g 白金 2,591円/g 原油 21,420円/kl ゴム 151.9円/kg とうもろこし 22,150円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「新型コロナ、超大型ハリケーン超え!?」 前回は「NY原油、1983年の取引開始以来、価格が初のマイナスに②」として、NY原油が一時的にマイナスになった直接的な要因と考えられる“米国国内の原油在庫の容量不足”について書きました。 今回は「新型コロナ、超大型ハリケーン超え!?」として、米国全体の製油所への原油の投入量に注目します。 ガソリンや暖房油などの石油製品は、原油を精製して作られます。精製が行われる場所は製油所です。 製油所に原油が投入され、石油製品が精製されるわけです。原油の製油所への投入量が、実質的な原油の消費量と言えます。 以下のグラフのとおり、米国全体の原油の製油所への投入量は、急減しています。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動の自粛によって、経済活動が制限され、石油製品の消費量が減少しています。 このような石油製品の消費減少に伴い、原油の製油所への投入量も減少しています。 今回の減少は、過去に3回、多くの製油所が稼働停止を余儀なくされた超大型ハリケーンが襲来した時と同様、あるいはそれを上回る規模です。 ただ、規模的には同等あるいはそれ以上ですが、“減少期間”を考えれば、今回の方がハリケーン襲来時よりも長くなる可能性があります。 ハリケーンの影響は、長くても2カ月程度ですが、今回の新型コロナウイルスの感染は、全米で先月3月から目立ち始め、現在も拡大中です。 長期化、そしてさらなる減少の規模拡大の可能性があるため、米国の原油消費量に与える影響は、超大型ハリケーンよりも新型コロナの方が大きくなる可能性があります。 原油消費量の減少は、原油相場のマイナス価格の要因となった、米国の原油在庫が容量一杯であることと関りが深く、今後も、大規模な消費減少が続けば、再び、NY原油先物価格がマイナス圏入りする可能性があるため、注意が必要です。 図:米国全体の製油所への原油投入量 単位:千バレル/日量
出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者推計