原油関連の材料を“絶対・相対評価”をしてみる

原油
著者:吉田 哲
原油反発。主要株価指数の反発などで。24.69ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,701.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は10,235元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年07月限は251.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで919.95ドル(前日比3.6ドル拡大)、円建てで3,245円(前日比31円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(5月12日 大引け 先限)
 5,873円/g 白金 2,628円/g 原油 22,610円/kl
ゴム 152.3円/kg とうもろこし 22,320円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「原油関連の材料を“絶対・相対評価”をしてみる」

前回は「サウジ4月の原油生産量が同国史上最高でも、原油価格が上昇したわけ」として、今月初めに、海外主要メディアが公表したサウジの4月の原油生産量について書きました。

今回は「原油関連の材料を“絶対・相対評価”をしてみる」として、今月初めから上昇している原油相場の材料をについて書きます。

今月、原油相場は上昇していますが、各種材料への“相対評価”で、上昇していると考えています。

例えば、月初から公表された原油相場に関わるデータを、相対評価、絶対評価、両方で評価した場合、原油価格の上昇と整合性がとれるのは、いずれも、相対評価です。

データの絶対値ではなく、事前予想や事前のアナウンスに比較して“そこまで状況は悪くなかった”という点が材料視されて、価格が上昇している、と考えられます。

事前予想や事前のアナウンスなど、何かと比べて、良い状況であれば、それを材料視し、価格が上がるわけです。

その意味では、今後も、相対評価で上昇要因が出れば、さらに、上値を伸ばす可能性があると思います。

目先、WTI原油は30ドル弱まで上昇する可能性はあると思います。

ただ、相対評価による上昇要因は、本来期待される、底堅くて大きな、上昇要因とは言えないと思います。

今後、長期的で、骨太の、安定した上昇を実現するためには、絶対評価による上昇要因が発生することが必要だと思います。

例えば、サウジを筆頭にOPECプラスが減産を順守している、米国の原油在庫が目に見えて減少し始めた、米国の経済指標が大きく改善した、などです。

このような、絶対評価による上昇要因が複数、同時に発生すれば、原油相場は、安定した長期的な上昇トレンドに入る可能性があると、考えています。

図:足元の原油関連材料の「絶対・相対」評価
足元の原油関連材料の「絶対・相対」評価

出所:筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。