拡大を期待する前に、現在の減産のルールを確認

原油
著者:吉田 哲
原油反発。主要株価指数の反発などで。33.39ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,729.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は10,240元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年07月限は271.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで854.35ドル(前日比5.15ドル拡大)、円建てで3,146円(前日比9円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(5月25日 19時15分頃 先限)
 5,992円/g 白金 2,846円/g 原油 25,690円/kl
ゴム 151.6円/kg とうもろこし 22,370円/t(とうもろこしのみ25日の終値)

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「拡大を期待する前に、現在の減産のルールを確認」

今回は「拡大を期待する前に、現在の減産のルールを確認」として、現在実施中の減産について書きます。

しばしば、要人が減産を拡大することを示唆する発言をし、原油市場はそれを好意的に受け止めているように見えます。

拡大とは、どのような事を指すのでしょうか?

“削減量の拡大”という、削減する量を増やす意味の減産の拡大があります。

削減量の拡大とは、減産に既に参加している国が、削減する量を増やすこと、OPEC内の減産免除国にも減産を実施させること、減産に参加する国を新たに増やすこと、などで実現できます。

また、例えば、2017年1月から2020年3月まで行われた減産について、何度も減産期間が延長されてきました。

このような、減産期間の延長もまた“削減期間の拡大”という意味の、減産の拡大と言えます。

以下の、4月12日(日)に行われた、第10回OPEC・非OPEC閣僚会議での決定事項の資料にあるとおり、現在実施している減産は、2020年5月から2022年4月までのおよそ2年間行うことが、すでに決定しています。

現在の状況で“減産期間の拡大”を目指し、2年先の減産終了を先延ばしにしたとしても、市場がその方針にすぐさまサプライズ感を感じることは、おそらくないと、思います。

つまり、今、できる減産の拡大は“削減量の拡大”なのだと、思います。

また“減産拡大発言”は、期待を高める効果はあっても、確実に需給バランスを引き締めることを約束するものではありません。

つまりこの手の発言は“思惑”であり“実態”ではない点にも、注意が必要です。

図:第10回OPEC・非OPEC閣僚会議で決定した内容
第10回OPEC・非OPEC閣僚会議で決定した内容

出所:OPECの資料をもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。