新型コロナ、感染状況は世界でまちまち

著者:吉田 哲
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原油反落。主要株価指数の反落などで。39.66ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年産利回りの低下などで。1,792.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は10,325元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は299.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで952.75ドル(前日比17.15ドル拡大)、円建てで3,253円(前日比24円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(6月24日 18時27分頃 先限)
 6,087円/g 白金 2,834円/g 原油 27,840円/kl
ゴム 156.7円/kg とうもろこし 22,700円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「新型コロナ、感染状況は世界でまちまち」

今回は「新型コロナ、感染状況は世界でまちまち」として、2020年2月以降の、主要な地域・国別の新型コロナウイルスの感染者数(前日比)の動向について書きます。

以前の「新型コロナ、世界全体では“第1波拡大中”」で書いたとおり、日本にいると“第2波”という言葉を聞かない日はありませんが、世界全体では、第2波はおろか、拡大が続く第1波に、終わる気配が感じられません。

世界全体の第1波を、主導しているのは、以下のグラフのとおり、南米です。ブラジル、ペルー、アルゼンチンなどです。

WHOが新型コロナウイルスを“パンデミック”とした3月上旬ごろ、グラフのとおり、欧州と北米(北米の95%程度が米国)で、感染が拡大していました。

その後、4月中頃を境に、徐々に欧州と北米で新規感染者が減少し始めましたが、5月下旬ごろ、南米が欧州と北米を追い抜き、世界の第1波を主導するようになりました。

感染拡大の主な地域は、時とともに入れ替わって来たわけです。

現在は、南米を中心にインド、中東、アフリカなどで第1波が拡大しており、欧州で第1波が鎮静化しつつあり、北米では第2波が起きつつある、と言えます。

原油相場の今後の動向を考える上で、新型コロナウイルスの感染が、世界のどの地域で拡大しているのか?という視点が、今後、より重要になると考えられます。

世界経済をけん引する先進国はもちろん、先進国の貿易相手国である主要な新興国での感染拡大が続けば、“リスクオフ”のムードが強まったり、これらの国々の実態経済にさらなるダメージが与えられることが懸念されます。

このような懸念が、消費減少を想起させ、原油価格の下落要因になる可能性があります。

新型コロナウイルスの感染状況だけが、原油相場の変動要因ではありませんが、世界全体に大きなダメージを与える同ウイルスの感染状況には、引き続き、注意が必要だと考えます。

図:地域・国別の、新型コロナウイルス感染者(前日比) 単位:人
地域・国別の、新型コロナウイルス感染者(前日比)

出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。