新型コロナ、世界全体では“第1波拡大中”

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。主要株価指数の反発などで。39.77ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,758.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は10,350元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は297.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで929.05ドル(前日比3.35ドル拡大)、円建てで3,212円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(6月22日 19時39分頃 先限)
 6,002円/g 白金 2,790円/g 原油 28,000円/kl
ゴム 157.7円/kg とうもろこし 22,850円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「新型コロナ、世界全体では“第1波拡大中”」

前回は「OPEC月報では、サウジは5月、減産順守」として、OPECが6月17日(水)に月報で公表した、OPECの5月の原油生産量と、推計される減産順守率について書きました。

今回は「新型コロナ、世界全体では“第1波拡大中”」として、2020年2月以降の、世界全体の新型コロナウイルスの感染者数(前日比)の動向について書きます。

ここ最近“新型コロナ第2波”という言葉を、見たり聞いたししない日はありません。

さまざまな報道の情報をまとめれば、第2波とは“初めて感染が拡大した後、いったん感染拡大が収まるも、ぶり返して再び拡大し、第1波よりも大きな被害を発生させる波”と言えます。

例えば、米国や日本で、第2波の懸念がある、と言われていますが、第2波が来る懸念があるかどうかは、地域によって異なります。

第2波への警戒は、個別の地域での議論であり、世界全体での議論ではありません。

世界全体で言えば、以下のグラフのとおり、第1波が拡大中です。

現代社会における世界経済では、足りないものを他国から買う(輸入する)、余分なものや自国で付加価値をつけたものを他国へ売る(輸出する)という“貿易”が、発展のために不可欠です。

基本的に国と国は、関わり合いながら存在しているからこそ、世界全体を網羅する議論が重要です。

現段階で、第2波の議論は、世界の一部の地域についての議論で、世界全体を網羅する議論ではないことに、留意が必要です。

一部の地域に第2波を到来させないことと同じくらい、第1波が起きている地域でまずは感染をひと段落させることが、重要です。

図:世界全体の、新型コロナウイルス感染者(前日比) 単位:人
世界全体の、新型コロナウイルス感染者(前日比)

出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。