NY金、上値抵抗1800ドル超えで上げ加速

著者:菊川 弘之
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 まずは、2011年9月につけた史上最高値の1900ドル台、そしてゴールドマン・サックスが6月19日付のリポートで12ヶ月見通しとして挙げた2000ドルが、いよいよ視野に入ってくる。CFTC達玉明細では、大口投機玉の買いは整理されており、改めて買いを入れやすい内部要因ともなっている。

 NY金(8月限)は、2015年12月安値を起点に自己相関の強い左右相似形を描いており、この自己相似形が継続するなら一旦は、調整の時間帯に入っている。また、保合い放れ時の天井の日柄と言われる、2019年に上放れた三角保合いの頂点の時間帯でもあり、日柄からは一旦、高値の節目を付けても良い時間帯だ。ただし、米国内での感染が拡大しており、次回の雇用統計は悪化が予想される中、20日間・50日間安値を更新しない限りは、中長期上昇トレンドに変化はでない。

 テクニカル分析では、左右相似形は自己相関が崩れた際には、崩れた方向に大きく動意付くとされる。1800ドルを超えていくなら、自己相関の終焉からの大幅反発パターンも想定される。
 

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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