NY金、上値抵抗1800ドル超えで上げ加速

著者:菊川 弘之
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 前回当欄(6/23付)で『NY金(8月限)は、心理的節目1800ドルでは上値が抑えられているものの、1700ドル以下は短期間で買い拾われており、押し目買い意欲が強い中でのボックス相場となっているが、20日間高値に続き、50日間高値(1789ドル)を上抜いてくると、CTAなどのトレンドフォロー型資金が一気に流入するだろう。

 一目均衡表で変化が起こりやすい基本数値・対等数値の時間は、6月29日、7月2日、7月8日。~中略)。安値売り込みは避け、押し目買い、レンジ上放れなら、追撃買い戦術をベースに考えたい。』と指摘したが、変化の起こりやすい時間帯に上値抵抗の1800ドルを上抜き、独立記念日休場明から上げ加速となっている。

 昨年末から新型コロナウイルス流行や、オーストラリアの山火事、中国の大洪水、アフリカを襲う蝗害など、洋の東西を問わず「終末」を予感させるような出来事が相次いでいる。米中対立は「覇権戦争」の様相で、長期化・激化が想定され、実体経済は悪化している。世界的な金融・財政政策の総動員で株価は実体経済と乖離して堅調だが、(直ちではないものの)将来的な財務不安・各国通貨に対する信用低下、金利上昇・インフレ懸念が金へ資金を向かわせている。

 「金融および商品市場が、煮え切らない動きを示すと言われる」水星逆行期も、7月12日で終了する。5日の満月の時間に底を打った金相場は、21日の新月に向けて、よりトレンドが明確になってくるだろう。
 
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このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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