週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比4.01ドル高の41.27ドル、ブレント原油は3.66ドル高の43.62ドルとなった。

 前週末の海外原油マーケットは、インド(石油消費世界第3位)や欧州の一部で一日あたりの新型コロナウィルス新規感染者数の伸びが加速していることは嫌気されたものの、株高等に支えられる格好でほぼ変わらずの水準で取引を終えた。また、16-17日にOPECプラスの会合を控えていることは様子見姿勢を強める格好となった。

 先週に入ると先週までの下落局面から反転、上昇基調を描いた。週初めは、FOMCやOPECプラスの減産遵守監視委員会を控える中で小動きにとどまり、リビアが生産開始の準備を進めているとの報や、OPECプラスの月報で需要見通しが下方修正されたことが嫌気される格好となり上値は重かったものの、火曜日はハリケーン「サリー」への警戒感が高まる中で、海洋油田の生産量が約27%減少していると伝わったことから買いを集めて上昇。また、API統計で原油在庫が950万B減少と予想外に大幅減少したことが好感されると、翌16日のEIA統計においても増加予想に反し439万B減少が示され、また引き続きハリケーンにより米国の海洋油田の生産量が減少していることが支えとなって続伸した。ユーロ/ドル市場においてユーロの買戻しが活発化しドル安推移したことも商品市場を下支えした模様だ。17日にはOPECプラスの共同閣僚監視委員会(JMMC)が行われ、イラクやナイジェリア、UAEなど減産目標を遵守できていない産油国に対して合意を履行するように繰り返し促したこと、原油安が続いた場合はOPECプラスの臨時総会を来月開く可能性が示唆(サウジ・エネルギー相)されたことが支援要因となり続伸となった。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。