原油反落。主要株価指数の反落などで。38.95ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,890.50ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年01月限は12,350元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年11月限は254.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1012.8ドル(前日比7.3ドル拡大)、円建てで3,457円(前日比15円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月30日 20時22分頃 先限)
金 6,417円/g 白金 2,960円/g
ゴム 183.0円/kg とうもろこし 23,700円/t
●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
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出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「今どきの金相場は、少なくとも5つのテーマで見つめることが必要②」
前回は金(ゴールド)について、「今どきの金相場は、少なくとも5つのテーマで見つめることが必要①」として、先週発生した金相場の急落の背景について考えました。
今回は「今どきの金相場は、少なくとも5つのテーマで見つめることが必要②」として、前回に続き、先週発生した金相場の急落の背景について考えます。
前回書いたとおり、先週、金市場には2つの上昇要因が存在していたと考えられます。“代替資産”、“有事のムード”です。しかし、実際には、金価格は下落しました。これら2つの上昇要因を相殺した上で、金相場を下落に導いたのが“代替通貨(この場合、ドルの代わり)”と考えられます。
ドルは先週、複数の主要国通貨に対して上昇しました。特に顕著だったのは、欧州の通貨に対してです。以下はユーロ/ドルの推移です。9月18日(金)を起点に、先週1週間、ユーロ/ドルは大きく下落しました。
ユーロが下落した主因は、新型コロナウイルスの感染再拡大が起きている欧州で、再拡大防止対策が強化されたことで、同地域の経済活動が縮小する懸念が強まったことと、考えられます。この点は、同期間に欧州の主要株価指数が下落したことと符合します。
また、ドルと金(ゴールド)は、“世界共通のお金”という共通点があると考えられます。ドルは現在、世界の貿易で最も多く使われている通貨(基軸通貨)であり、金は歴史的にも世界中でお金として使われ、現在でも、信用力が比較的低く、かつ非常事態に陥った国の中央銀行が、他国への債務返済などの当座の資金繰りのために保有していた金を利用する例があるなど、れっきとした、お金という側面を持っています。
このドルと金の関係が、金をとりまく重要テーマの一つ“代替通貨”の根拠です。ドルを保有する妙味が増す時、相対的に金を保有する妙味が低下し、逆にドルを保有する妙味が低下する時、相対的に金を保有する妙味が増す、という仕組みです。
ユーロ/ドルなどの通貨ペアの価格動向は、これら2つの通貨の力関係を示していると言えます。このため、ユーロが高い時、ドルが安くなり(ユーロ高・ドル安)、ユーロが安い時、ドルが高くなります(ユーロ安・ドル高)。
金を取り巻くテーマは、少なくとも5つあると考えられ、“代替通貨”だけで、金価格の動向を説明することはできませんが、今回の金価格の大幅下落には、“対ユーロのドル高”が強く関わっていると、みられます。“対ユーロのドル高”のきっかけの一つに、欧州の新型コロナ対策の強化による経済活動が縮小する懸念が挙げられると、筆者は考えています。
株価が下落して“代替資産”の側面から上昇要因が強まっても、同時に、新型コロナの感染拡大が目立ち、“有事のムード”が拡大して上昇要因が強まっても、金価格は下落することがあります。それは先週のように、これら2つ以外の材料で、これら2つの上昇圧力を相殺し得る下落要因が発生した場合です。
今どきの金相場は、“少なくとも5つのテーマで見つめることが必要”です。“材料を点で見てはいけない”、さらに言えば、“材料を見たいように見てはいけない”、“俯瞰しなければならない”、そして、材料を点で見ても値動きを説明することが可能だった“過去の常識にとらわれてはいけない”ということです。
図:ユーロ/ドルの推移 単位:ドル
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出所:ブルームバーグより筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,890.50ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年01月限は12,350元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年11月限は254.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1012.8ドル(前日比7.3ドル拡大)、円建てで3,457円(前日比15円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月30日 20時22分頃 先限)
金 6,417円/g 白金 2,960円/g
ゴム 183.0円/kg とうもろこし 23,700円/t
●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
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出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「今どきの金相場は、少なくとも5つのテーマで見つめることが必要②」
前回は金(ゴールド)について、「今どきの金相場は、少なくとも5つのテーマで見つめることが必要①」として、先週発生した金相場の急落の背景について考えました。
今回は「今どきの金相場は、少なくとも5つのテーマで見つめることが必要②」として、前回に続き、先週発生した金相場の急落の背景について考えます。
前回書いたとおり、先週、金市場には2つの上昇要因が存在していたと考えられます。“代替資産”、“有事のムード”です。しかし、実際には、金価格は下落しました。これら2つの上昇要因を相殺した上で、金相場を下落に導いたのが“代替通貨(この場合、ドルの代わり)”と考えられます。
ドルは先週、複数の主要国通貨に対して上昇しました。特に顕著だったのは、欧州の通貨に対してです。以下はユーロ/ドルの推移です。9月18日(金)を起点に、先週1週間、ユーロ/ドルは大きく下落しました。
ユーロが下落した主因は、新型コロナウイルスの感染再拡大が起きている欧州で、再拡大防止対策が強化されたことで、同地域の経済活動が縮小する懸念が強まったことと、考えられます。この点は、同期間に欧州の主要株価指数が下落したことと符合します。
また、ドルと金(ゴールド)は、“世界共通のお金”という共通点があると考えられます。ドルは現在、世界の貿易で最も多く使われている通貨(基軸通貨)であり、金は歴史的にも世界中でお金として使われ、現在でも、信用力が比較的低く、かつ非常事態に陥った国の中央銀行が、他国への債務返済などの当座の資金繰りのために保有していた金を利用する例があるなど、れっきとした、お金という側面を持っています。
このドルと金の関係が、金をとりまく重要テーマの一つ“代替通貨”の根拠です。ドルを保有する妙味が増す時、相対的に金を保有する妙味が低下し、逆にドルを保有する妙味が低下する時、相対的に金を保有する妙味が増す、という仕組みです。
ユーロ/ドルなどの通貨ペアの価格動向は、これら2つの通貨の力関係を示していると言えます。このため、ユーロが高い時、ドルが安くなり(ユーロ高・ドル安)、ユーロが安い時、ドルが高くなります(ユーロ安・ドル高)。
金を取り巻くテーマは、少なくとも5つあると考えられ、“代替通貨”だけで、金価格の動向を説明することはできませんが、今回の金価格の大幅下落には、“対ユーロのドル高”が強く関わっていると、みられます。“対ユーロのドル高”のきっかけの一つに、欧州の新型コロナ対策の強化による経済活動が縮小する懸念が挙げられると、筆者は考えています。
株価が下落して“代替資産”の側面から上昇要因が強まっても、同時に、新型コロナの感染拡大が目立ち、“有事のムード”が拡大して上昇要因が強まっても、金価格は下落することがあります。それは先週のように、これら2つ以外の材料で、これら2つの上昇圧力を相殺し得る下落要因が発生した場合です。
今どきの金相場は、“少なくとも5つのテーマで見つめることが必要”です。“材料を点で見てはいけない”、さらに言えば、“材料を見たいように見てはいけない”、“俯瞰しなければならない”、そして、材料を点で見ても値動きを説明することが可能だった“過去の常識にとらわれてはいけない”ということです。
図:ユーロ/ドルの推移 単位:ドル
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出所:ブルームバーグより筆者作成