米大統領選挙と金相場

著者:菊川 弘之
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 大統領選挙の予測は、世論調査よりも、賭けのオッズがより正確との声も多いが、春先までのオッズ(REAL CLEAR POLITICS)は、現職のトランプ大統領が優勢であったが、5月末にジョージ・フロイド氏の死亡事故から逆転。

 ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動の盛り上がりでオッズ差は拡大した。その後、全米各地で暴動による治安悪化が激化してくると、「法と秩序」を前面に押し出したトランプ陣営の巻き返しとなり、9月初旬には、ほぼ横並びとなった。

 ただし、

・ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事が逝去(9/18)
・トランプ大統領が保守派の女性判事エイミー・バレット氏を後任指名(9/26)
・トランプ大統領の税金記録スクープ(9/27-28)
・第1回のTV討論会(9/29)
・トランプ夫妻のコロナ陽性判明(10/2)を経て、オッズ差はバイデン候補優勢、トランプ大統領劣勢が急拡大している。

 オクトーバー・サプライズ(10月のサプライズ)とは、米大統領選挙が実施される年において、本選挙投票の1ヶ月前の10月に選挙戦に大きな影響を与える出来事を指すが、2020年の大統領選挙では、新型コロナ用ワクチン認可・スノーデン恩赦・オバマゲート・地政学リスク(イラン・北朝鮮)など様々なことが噂されていたが、10月2日に飛び込んできたのが、トランプ大統領の新型コロナウイルス感染だった。
 
賭けのオッズ(米大統領選挙2020)

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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