大統領選挙結果別シナリオ

著者:菊川 弘之
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 10月27日(火)当欄で指摘したように、米大統領選挙直前になって、トランプ大統領の信任が急上昇している。今回の選挙は、「トランプVSバイデン」と言うよりも、「親トランプ」VS「反トランプ」の構図であることを考慮すると、一般メディアで報じられているよりも、接戦の可能性は高い。

 大統領選挙の一つ目の焦点は、選挙結果がすぐに判明するか否か?

 2000年の大統領選挙と同じく、選挙結果がすぐに判明せず、法廷闘争に持ち込まれる可能性を現在のマーケットは意識しているため、いずれが大統領になっても、短期間で決着がついた場合は、マーケットのファーストアクションはリスクオンで反応しそうだ。その後に、追加経済対策の規模にマーケットの焦点は移行する。追加経済対策の規模は、民主党案が2.2兆ドル、トランプ政権案が1.8兆ドル、共和党案が5,000億ドル。期待と現実との乖離にマーケットは反応するだろう。

 大統領選挙と同時に行われる議会選挙では、下院は民主党が過半数を維持することが見込まれているため、注目は上院の結果だ。

 大統領選挙と同じく、上院も接戦が予想されており、「議会とのねじれ」が起きるか否かが焦点。

 大統領と議会の両方を民主党が押さえる「ブルーウェーブ」シナリオを一時、織り込んだマーケットだが、足元では、この巻き戻しが起きて、様子見ムードが高まっている。
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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