びっくり大仰天シナリオは?

著者:菊川 弘之
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 ラトクリフ国家情報長官は、WSJコラムに「中国は(米国の国家安全保障の大の脅威で、)世界を支配しようとしている」と述べ、「中国が不正運用に深く関与した」と主張している。

 トランプ大統領は、いまだ敗北宣言を出していないが、12月14日の選挙人投票では、トランプ氏が投票結果に従わず州議会に独自に選挙人を選ぶよう共和党議員に働き掛けたが、応じる動きはなく、各州は選挙結果を認定。

 激戦州のバイデン氏勝利確定阻止を目指した訴訟も連邦最高裁で却下されている。

 選挙人投票でのバイデン勝利を受け、共和党の連邦議会上院議員の筆頭者であるミッチ・マコーネル院内総務ら共和党の上層部が、バイデンの勝利を認める宣言をし、プーチン大統領や習近平主席など、これまで米大統領選でどっちが勝ったかわからないため祝電を見送っていた国も、バイデンを勝者と認める宣言をしている。

 イランは、米国がJCPOAの核協定に戻ってくるなら対応すると言うなど、世界はバイデン政権に対する準備を進めている。マーケットでも、いわゆるバイデン政策に則った「脱炭素・グリーン関連銘柄」などが活況を呈している。

 ただし、土壇場で選挙不正の科学的根拠など動かない証拠が出てくれば、ペンス副大統領が、12月14日に行われた選挙人による投票結果開封を1月6日に拒否。トランプ大統領が「国家非常事態宣言」を出すシナリオが一部で、囁かれている。

 日経平均株価も30年振りの高値と、「英・EU協議の合意」、「米追加経済対策の成立」、「ワクチン接種開始」など、良いとこ取りのリスクオン相場が年末になって示現しているが、まさかまさかの「トランプ大統領の逆転」シナリオが実現した場合は、大パニックでの年明けとなろう。
 

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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