びっくり大仰天シナリオは?

著者:菊川 弘之
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 確率は極めて極めて低いシナリオだが、このビックリ大仰天シナリオが実現した場合は、全米でトランプを辞めさせるためのデモや集会、暴動、略奪などが起きるだろう。内乱の危機もあり、株式市場は暴落、ドルもこれまでのリスクオンの買いとはならずに大幅下落、金市場も短期的には追随安するが、本格的に「安全資産」として、押し目を買い直される可能性が高いだろう。

 一方、粛々と波乱なく新政権が誕生した場合も、トランプ大統領の得票数はバイデン氏よりは少ないものの、7000万を超え、近年で最も多かった2008年のオバマ氏(民主)を上回った事実に変わりはなく、米国の分断は進み、米中覇権戦争は、緩やかに中国優位と歩みが進むかもしれない。

 日本経済研究センターは12月10日、2035年までの経済成長見通しの中で、中国が2028年にもGDPで米国を超えると予測した。新型コロナウイルスの感染拡大による影響からの回復スピードの違いで、早くても2036年以降となるとみていた中国の逆転時期を前倒ししている。

 当然、びっくり大逆転シナリオが実現した場合は、米中逆転の時期は、更に前倒しとなるだろう。

 1月5日の米上院2名の決選投票(ジョージア州)の結果や、ハンターバイデン疑惑如何では、高齢のバイデン政権が早々にレイムダッグ化する可能性もある。ハンターバイデンの有罪性が父親まで波及した場合、ハリス副大統領の繰上げで、初の女性大統領誕生と言うことも、2021年のびっくり大予想では、出てきそうな感じだ。

 いずれのシナリオにしろ、「掉尾の一振」となった年末の流れが、2021年に、すんなり引き継がれるか否かは不透明だ。
 

 

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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