原油価格、2021年は60ドル台で定着か!?

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。48.16ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,885.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は13,715元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年02月限は305.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで837.35ドル(前日比6.05ドル拡大)、円建てで2,816円(前日比10円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月29日 18時48分頃 先限)
6,287円/g 白金 3,471円/g
ゴム 226.6円/kg とうもろこし 25,470円/t

●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「原油価格、2021年は60ドル台で定着か!?」

前回は、「マイナー銘柄になったとしても、そのことも、原油価格上昇要因になり得る」として、脱炭素時代に原油消費が急減し、仮に、原油がマイナー銘柄になった場合の価格動向について、筆者の考えを述べました。

今回は、「原油価格、2021年は60ドル台で定着か!?」として、原油相場の2020年を振り返り、2021年の筆者の展望を書きます。

原油相場は、以下のグラフのとおり、2月から3月に発生した新型コロナ・ショックと、4月に発生したマイナス価格によって、価格の水準を大きく切り下げました。その後、先進国の金融緩和や、期待先行相場“バイデン・ワクチン相場”で、年後半に大きく反発しましたが、年初の水準60ドルまで回復することはできませんでした。

2021年は、多くの国で“脱炭素”が進展することが予想されるため、原油相場は厳しい展開になる可能性があります。しかし“脱炭素”が進展したとしても、原油市場にはさまざまな側面から、価格を押し上げる要素が発生し得ると考えています。

以下は、筆者が考える、2021年の原油相場の上昇要因です。

① 米シェ―ル主要地区の原油生産量の回復は、早くて2021年夏か。
② OPECプラスの減産はまだまだ続く。減産を大々的にけん制する人はいない。
③ 株価が上昇すれば、下落要因を抱えていても原油価格は上昇する。
④ “脱炭素”は進むが、人類が豊かな生活を望む限り、原油消費はなくならない。
⑤ 仮にマイナー銘柄になったとしても、そのこともまた、価格上昇要因になり得る。

原油固有の要因である、①米シェ―ル主要地区の原油生産量の回復は、早くて2021年夏か。②OPECプラスの減産はまだまだ続く。減産を大々的にけん制する人はいない。は、“脱炭素”起因の下落要因を相殺し得る、強い上昇要因となると考えられます。

原油固有の要因に加え、株式市場が好ムードで沸いたり、社会のムードが改善したりして、総合的に現在よりも状況が好転すれば、2021年は、WTI原油で、1バレル60ドル台で定着する可能性もあると、現段階では、考えています。

図:WTI原油先物価格(期近 日足) 単位:ドル/バレル


出所:各種情報源より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。