[Vol.958] プラチナの自動車触媒需要、2020年は急減せず

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。60.88ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの低下などで。1,741.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,365元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年05月限は379.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで532.75ドル(前日比17.75ドル拡大)、円建てで1,876円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月19日 18時35分頃 先限)
6,095円/g 白金 4,219円/g
ゴム 261.9円/kg とうもろこし 29,830円/t

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「プラチナの自動車触媒需要、2020年は急減せず」

前回は、「プラチナ市場、2020年の供給不足の要因とは!?」として、プラチナの需要と供給、それぞれの変化について書きました。

今回は、「プラチナの自動車触媒需要、2020年は急減せず」として、プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要、および宝飾需要について述べます。

以下は、プラチナ需要のおよそ30%を占める(2020年時点)、自動車の排ガス浄化装置向けの需要の推移です。

2020年、世界全体で見ても、主要消費地である欧州で見ても、自動車排ガス浄化装置向け需要は減少したものの、ともに、リーマンショック時の水準までは低下していません。コロナ禍でも、歴史的な急減は起きていないことがわかります。

また、WPIC(World Platinum Investment Council)の見通しでは、世界全体の同需要は、2021年、回復するとしています。

有効性が高い新型コロナ向けワクチンが世界的に流通すること、主要国で金融緩和が継続することなどによって、世界景気が回復する可能性がある点を織り込んでいるとみられます。

宝飾需要については、中国を除けば、コロナ前の数年間が増加傾向にありました。2020年にコロナ禍のため、減少したものの、世界的な景気回復が鮮明になれば、再び増加基調になる可能性があります。

コロナからの世界経済の回復は、プラチナの自動車排ガス浄化装置向けおよび宝飾向け需要を、ともに回復させる可能性があります。

図:プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要 単位:千トロイオンス


出所:WPICのウェブサイトのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。