[Vol.959] 昨年11月以降、原油価格は60%超上昇

著者:吉田 哲
原油反落。米主要株価指数の反落などで。61.14ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,729.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,530元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年05月限は390.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで555.9ドル(前日比14.3ドル拡大)、円建てで1,973円(前日比24円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月22日 18時58分頃 先限)
6,043円/g 白金 4,070円/g
ゴム 262.6円/kg とうもろこし 29,890円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「昨年11月以降、原油価格は60%超上昇」

前回は、「プラチナの自動車触媒需要、2020年は急減せず」として、プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要、および宝飾需要について述べました。

今回は、「昨年11月以降、原油価格は60%超上昇」として、2020年11月2日から2021年3月19日までの、各種主要銘柄の騰落率を確認します。

昨年11月の米大統領選直後、バイデン氏の勝利を機に、“石油の時代は終わった”と言ったアナリストがいました。クリーンエネルギー策の推進を標榜するバイデン氏が米大統領選挙に勝利したため、米国とその同盟国はもちろん、世界中で石油を使わなくなり、原油価格は急落する、というシナリオを絵描いていたようです。

以下のグラフの通り、原油価格はその昨年11月以降、60%以上、上昇しています。日米欧中の株価指数、通貨、コモディティ(商品)、暗号資産の4つのジャンルにおける合計25の主要銘柄の中で、特異な動きとなっている暗号資産を除けば、原油は上昇率1位です。

原油相場は、件のアナリストの思惑とは真逆の“急上昇”を演じているわけです。先週、一時的に大きく下落する場面があったものの、世界の原油価格の指標の一つであるWTI原油(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)は、1バレルあたり60ドルの節目を大きく底割れしていません。

底割れをしないどころか、一時的に60ドルを割った後は、すぐさま反発色を強め、61ドル台を回復しました。短期的な下落時、特に一時的に節目を割れる場面では、すぐさま買われているわけです。米国の大手金融機関は、このような原油相場の値動きを見て、強気見通しを維持する方針を出したと、報じられています。

クリーンエネルギー策の推進による原油価格の急落という、シナリオはどこに行ったのでしょうか?

図:ジャンル横断騰落率ランキング(2020年11月2日から2021年3月19日)


出所:マーケットスピードⅡなどのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。