金相場、市場テーマに変化の兆し

著者:菊川 弘之
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 ロシアとウクライナの国境でも緊張が高まっている。ウクライナ軍はロシアによって併合されたクリミア半島やロシアとの国境に向けて移動している。これに対して、ロシアもウクライナ国境に向けて軍を移動させている。

 バイデン大統領は4月13日にプーチン大統領と電話会談を行い、ロシア軍のウクライナ国境近くへの集中に懸念を伝え、15日には、ロシア発とされるサイバー攻撃などを受け、ロシア企業などへの制裁やロシア外交官10人の追放を発表した。

 更に、日本時間17日未明に行われる日米首脳会談の共同文書に、台湾について明記する方向で最終調整が進められている模様。日米首脳間の文書の中に「台湾」が明記されれば、1969年当時の佐藤栄作首相とニクソン大統領との共同声明以来、約半世紀ぶりのこととなる。

 台湾の蔡英文総統は15日、バイデン大統領の要請で台湾を訪問しているドッド元上院議員やアーミテージ元国務副長官らと総統府で会談し、中国人民解放軍の「向こう見ずな作戦行動や挑発行為」を阻止するため、米国と協力していくと述べている。

 北朝鮮による核実験の再開、弾道ミサイル(ハワイ・グアム射程)発射の可能性も浮上している。

 大口投機玉の買い玉整理が進む中、金の持つ「安全資産」としての顔が、再評価されてくるかもしれない。

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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