[Vol.983] 金と銅の価格推移に注目

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。61.48ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,787.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は14,105元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年06月限は399.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで567.35ドル(前日比6.15ドル縮小)、円建てで1,995円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月23日 18時59分頃 先限)
6,192円/g 白金 4,197円/g
ゴム 236.3円/kg とうもろこし 33,220円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金と銅の価格推移に注目」

前回は、「金と原油、中東の中国傾斜は上昇要因」として、中東が中国寄りになった場合の、金と(ゴールド)と原油相場への影響について書きました。

今回は、「金と銅の価格推移に注目」として、昨年年初以降の、NY金とNY銅の価格推移に注目します。

流動性の大小の目安の一つである「取組高」(未決済の建玉。ここではその価格が世界の指標の一つとされるNY先物市場の取組高を参照)の推移に注目すると、2021年4月21日時点で、4つの貴金属銘柄(金、銀、プラチナ、パラジウム)においては、金が最も多く、銀は金の3分の1程度、プラチナとパラジウムは銀の半分以下です。

金が479,339枚、銀が63,651枚、プラチナが178,122枚、パラジウムが11,789枚です。(ブルームバーグのデータより)

非鉄金属の「銅」はどうでしょうか。銅が248,058枚です。銅の取組高(流動性の目安)は銀以上です。その銅の値動きは「金安・株高」が発生した場合、株価につられて上昇する(金と逆相関になる)傾向があります。

以下のとおり、コロナからの経済回復を目的とした主要国の大規模な金融緩和実施によって、景気回復期待増幅(株高要因)と、通貨の価値希薄化懸念増幅(金高要因)が同時進行し(主に2020年4月から12月末)、金と銅の価格はともに上昇しました。この間の相関係数は、弱い相関を示す+0.58でした。

2021年に入り、金相場は、米国の金利上昇とビットコインの急騰(代替通貨の側面で金の下落要因)、主要株価指数の上値追い(代替資産の側面で金の下落要因)などで下落しましたが、

主要株価指数が上値を追っているため、景気回復期待が増幅し、銅相場が上昇しました。

2021年年初から4月22日までの相関係数は、比較的強い逆相関を示す-0.75でした。「金安・株高」が鮮明な時は、金と銅は逆相関になりやすいと言えそうです。

図:NY金と銅の価格推移


出所:ブルームバーグより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。