米国の原油在庫と原油生産量を長期的視点で確認する

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)強含み。主要株価指数の高止まりなどで。57.06ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの弱含みなどで。1424.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。9月限は10685元/トン近辺で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。9月限は440.5元/バレル近辺で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで557.1ドル(前日比3.0ドル縮小)、円建てで1929円(前日比4円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(7月24日17時30分頃 先限)
 4934円/g 白金 3005円/g 原油 40290円/kl
ゴム 186.6円/kg とうもろこし 24530円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米国の原油在庫と原油生産量を長期的視点で確認する」

前回は「サウジは何万バレル、増産するのか?」として、OPECが月報で公表しているサウジの原油生産量をもとに、現在の減産における生産上限との差に注目しました。

サウジは今後、およそ日量50万バレル程度の“増産余地”を用い、減産順守を維持しながら、増産をするのではないか?ということを書きました。

今回は「米国の原油在庫と原油生産量を長期的視点で確認する」として、米国の原油在庫と原油生産量の動向に注目します。

毎週、米エネルギー省(EIA)は週間石油統計において、前週時点での米国の原油在庫と原油生産量などを公表しています。

週次ベースで公表されるこれらのデータは、数日単位、いわば短期的な原油相場の変動要因になる場合があります。

先週は原油在庫も原油生産量も前週比で減少したために、原油相場は短期的にやや反発しました。

一方、EIAは月次ベースで米国の原油在庫と原油生産量を公表しています。

データは月末に公表され、前々月までのデータが収録されています。

週次ベースが速報性があるデータとすれば、月次ベースのデータは確報性があると言えます。

以下のグラフは、その確報性のある月次ベースの米国の原油在庫と原油生産量の推移を示したものです。

長期的に見れば、ともに増加傾向にあることがわかります。

原油在庫は過剰在庫の増加が目立ち始めた2014年後半以降の高水準を維持し、原油生産量は史上最高水準で推移し、かつ増加が継続しています。

週次ベースでは減少していても、大局的には増加傾向・高水準を維持しているわけです。

週次ベースで原油価格の上昇要因となっても、月次ベースでは逆に下落要因になっていることに注意が必要です。

図:米国の原油在庫と原油生産量(月次ベース)


出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。