[Vol.988] マヨネーズ、サラダ油、マーガリン価格が上昇

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。65.41ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,792.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は14,375元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年06月限は428.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで551.85ドル(前日比3.65ドル縮小)、円建てで1,954円(前日比20円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月6日 19時7分頃 先限)
6,290円/g 白金 4,336円/g
ゴム 258.0円/kg とうもろこし 36,320円/t

●シカゴ大豆先物(期近) 日足  単位:ドル/ブッシェル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「マヨネーズ、サラダ油、マーガリン価格が上昇」

前回は、「目指すべきはライフサイクルアセスメント」として、それまでの数回で述べた国内外の自動車メーカーの方針における2つの抜け道について補足しました。

今回は、「マヨネーズ、サラダ油、マーガリン価格が上昇」として、今年に入り相次いで公表された植物油関連の食品価格の値上げと、それに深い関りがある植物油価格の動向について書きます。

食卓に、コモディティ価格高が忍び寄ってきています。4月26日、キユーピー(2809)は、7月1日出荷分から、家庭用のマヨネーズ価格を引き上げることを発表しました。

マヨネーズの原料にもなる食用油(植物油が主な原料)においては、今年2月時点で、昭和産業(2004)、J-オイルミルズ(2613)、日清オイリオグループ(2602)の食用油主要3社がこぞって、3月から4月にかけて、値上げすると発表していました。

また、植物油を主原料とするマーガリンは、主要メーカーであるカネカ(4118)とミヨシ油脂(4404)が、3月1日納入分より、値上げをするとしていました。

今年に入り相次いでいる、植物油と関わりが深い品目の値上げ発表の背景には、植物油の国際価格の急騰があります。

以下のグラフは、植物油の価格の指標とされる、菜種(キャノーラ)油、パーム(アブラヤシ)油、大豆油の価格動向を示しています。

昨年(2020年)半ばから、急激に上昇し始めました。足元、どの油種も、記録的な水準に達しており、本格的に上昇しはじめた昨年6月比で、菜種油がおよそ1.9倍、パーム油が1.8倍、大豆油が2.1倍です。

歴史的とも言える急騰劇を受け、植物油に関わりが深い各社は末端製品の値上げを余儀なくされたわけです。

各社、値上げの直接的な背景を「主産地の天候不順による生産減少懸念や、中国をはじめとした世界的な需要拡大」などとしています。

今後、徐々に、わたしたちがスーパーで購入するマヨネーズ、サラダ油、マーガリンの価格(小売価格)が、値上がりしていく可能性があります。

図:植物油の国際価格の推移 2005年1月を100として指数化


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。