[Vol.1013] プラチナ相場は「脱炭素」ブームでも下落していない

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。70.02ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,882.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年09月限は12,800元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年07月限は446.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで741.75ドル(前日比1.95ドル縮小)、円建てで2,603円(前日比26円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月10日 18時56分頃 先限)
6,624円/g 白金 4,021円/g
ゴム 237.4円/kg とうもろこし 36,240円/t

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「プラチナ相場は「脱炭素」ブームでも下落していない」

前回は、「プラチナ相場は風評被害にあっていた!?」として、フォルクスワーゲン問題発覚から数年間、プラチナ相場が長期低迷したことについて書きました。

今回は、「プラチナ相場は「脱炭素」ブームでも下落していない」として、本格化する「脱炭素」ブームとプラチナの価格動向の整合性への疑問について書きます。

前回書いた通り、現在のプラチナ市場は、悲観論を数年間にわたり盛大に振りまいた「フォルクスワーゲン問題」を克服したように見えます。

足元の上昇の原動力は「新型コロナショック後の回復」といえます。同ショックで急落し、NY先物市場は600ドルを、大阪市場は2,000円を一時的に割り込みましたが、その後大きく反発し、現在に至っています。

この1年強、プラチナ価格は明確に上昇してきたわけですが、ここで気になるのが世界的なブームである「脱炭素」との整合性です。

下図の通り、「脱炭素ブーム」下、プラチナ相場は、「フォルクスワーゲン問題」発覚時と同様、排ガス浄化装置向けの需要が減少するという悲観論によって、下落してもおかしくありません。

しかし、昨年発生した新型コロナショック時の安値比、およそ2倍に上昇しています。一体、なぜなのでしょうか?

次回以降、「フォルクスワーゲン問題」と同様の連想が働く中でも、プラチナ価格が上昇しいている背景について書きます。

図:「脱炭素ブーム」下の連想 ※VW問題=フォルクスワーゲン問題


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。