第13回、MACDその2、オリジナルMACDの本質!

2.MACDの本質!

□さて、次の図を見てごらん。 □これは価格の動きを単純化してテクニカル指標の果たす役割をわかりやすく浮き彫りにするという実験で、私はさまざまなテクニカル分析の研究によく使う。この図は25日間20で動かなかった価格が26日目から1ずつ上昇し、45まで上昇したら、そこで天井を打ち、そこから1ずつ減少して20まで下がる。するとそこで底を打ち、そこから1ずつ増加して・・・という繰り返しの図。 (※チャートでは26日目から描いている。26日EMAを計算するには26日間のデータが必要なので。) 価格がこういう動きをしたとき、移動平均線(二本のEMA)がどう動き、その結果MACDはどう動くかを調査するのだ。 ■「興味深いです。」 □さて、価格は直線で上がって直線で下がってというわかりやすい動きにした。それに対して、移動平均は遅れてついてくる様子がよくわかるね。12日EMAが少し遅れて、26日EMAがさらに遅れる。ということはその二本の移動平均線のデッドクロスは価格の天井から大きく遅れることになる。 ■「トレンド系指標の持つ欠点、『売買サインが出るのが遅い』というやつですね。」 □そゆこと。ということは2本の移動平均線のデッドクロスやゴールデンクロスで売買をしていたら、仕掛けのタイミングを逸してしまう。 ■「ですね。」 □ところが、MACDを見てごらん。価格の上昇に合わせて上昇し、価格の下落に合わせて下降していることがわかる。つまりMACDは遅れないのだ。 価格が上昇に転ずると、二本の移動平均線は、期間が短い方(以下短期EMA)が早く上昇し、期間の長い方(以下長期EMA)がゆっくりと上昇するという性質がある。このため、下降から上昇に価格が変化すると、(短期EMA-長期EMAである)MACDは徐々に上昇する。 ■「ふむふむ。」 □逆に、価格が上昇から下降に転ずると、短期EMAの方から素早く下降し、長期EMAはゆっくりと下降するという性質がある。このため、価格が上昇から下降に変化すると、MACDは徐々に下降する。 やがて短期EMAは長期EMAを下抜き、MACDはマイナス側で下降していく。 ■「MACDがゼロラインを割って下がっていくということですね。」 □そゆこと。 MACDとはなんたるや?その本質をお話する。移動平均線には価格の動きをなめらかにして、トレンドをわかりやすくすると言う役割があった。
移動平均線の役割(復習)・・・価格の動きをなめらかにして、トレンドをわかりやすくする。
■「そうですね。それ勉強しました。」 □しかし、移動平均線には動きが遅れるという欠点があった。 ■「移動平均線の遅行性ですね。」
移動平均線の欠点(復習)・・・移動平均線には遅行性があり、買いサイン・売りサインが出るのが遅れやすい。
その動きの遅れを修正したのが・・・MACDなのじゃよ。 ■「なるほど、それは素晴らしい。」 □これで驚いちゃいかん。MACDはもっともっとすごい。今度はこちらの図を見てごらん。