第13回、MACDその2、オリジナルMACDの本質!

3.MACDの先行性!

□最初の図では、動きを単純化するために、価格の上昇・下降をそれぞれ直線で示した。しかし、そんな動きは実際にはない。実際にはこの図の方が現実的だ。こちらは100からスタートした価格が200を超えて(225で)天井を打ち、また100まで下がって上昇するという図だが、上昇トレンドでは次第に上昇力を強めて上昇し、天井近辺では次第に上昇力を弱めて天井になる。下降トレンドでは次第に下降力を強めて下降し、底近辺では次第に下降力を弱めて底となるという動き。 こちらの方が現実の動きに近いだろ?。 ■「ですね。」
※(上記図の作図法)スタートから25日まで100だった価格が1ずつ上昇する、2ずつ上昇する、と次第に上昇幅を強めて5ずつ上昇するというところまでいくと、今度は4ずつ上昇する、3ずつ上昇すると、次第に上昇力を弱めていく。やがて価格は天井を打ち、その後は1ずつ下降していく、2ずつ下降していくと、次第に下降幅を強めて、5ずつ下降するというところまで来ると、今度は下降幅を弱めて、4ずつ下降、3ずつ下降と変化して、やがて底を打つという繰り返し。(チャートは26日目から表示)
□このときの移動平均線(二本のEMA)の動きとその差であるMACDが描かれている。このMACDの動きを見て何か感じないか? ■「こ、こ、こ、講師!」 □にわとりじゃないんだから、落ち着け!どした? ■「感じるどころじゃないです。感動です。だって、MACDの天井は価格の天井よりずっと早く訪れ、MACDの底は価格の底よりずっと早く訪れているじゃないですか?」 □そのとおり、ここで驚くべきMACDの特質を理解しなければならない。 トレンドの上昇に追随して上昇していたMACDがどこで天井を打つかと言うと、・・・・ ■「価格の上昇波動が勢いを失ったときに天井を打つわけですね。」 □そゆこと。そのとき、価格はまだ上昇していたとしても、一時の勢いを失い上昇力が弱まると・・・既にMACDは下降に転じるのじゃよ。その場合MACDが下降に転じた後で、価格が天井を打つケースが多い。 □今度は、下降しているMACDがどこで底を打つかと言うと・・・・ ■「価格の下降波動が勢いを失ったときに底を打つわけですね。」 □そゆこと。ここでもまだ価格は下降している場合がある。下降しているが、一時の勢いを失い下降力が弱まると・・・今度はMACDは上昇に転じるのじゃよ。そしてMACDが上昇に転じた後で、価格が底を打つケースが多い。 ■「凄い!価格の動きに先行しているじゃないですか。」 □そのとおり、残念ながら現実の動きは例であげたようには単純でないので、いつも先行しているとは言えないが、MACDの本質はときに価格の動きを先取りするところにあるんじゃよ。最近では今年の2月から3月にかけてのゴム相場などがそうだった。 ※東京ゴム2011/12/6~2012/5/1 ■「凄い凄い!ジェラルド・アペルさんノーベル賞ものです。」