第45回、一目均衡表その16、「一目均衡表の5つの線を使った総合分析、前編」

□そういうこと。下図を見てごらん。価格が下がって底を打って均衡表の好転が起こった。但し、その後遅行スパンの好転が見られなかった。騙しのサインだ。すると案の定、価格は上昇することなく下降していっている。

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■ここら辺が一目均衡表の凄いところですね。重要な買いポイントをいろいろな角度から分析しているんですね。

□そういうことだ。
続いてフェイズ5、価格が雲に突入。野戦で勝った買い方はいよいよ敵の本丸に一直線。そして最初の門を打ち破ったというのがこの段階。

■城攻めですね。一番むずかしい奴だ。

□だね。だから、この先行スパン1で跳ね返されるというパターンがよくある。城の城壁は固く、守備隊も揃っている。難攻不落の城なんてのがあるからね。

■でも、先行スパン1を突き破ったということはその城の第一関門は突破したということですね。

□そうだ。但し、場内には守備兵がまだまだいっぱいいる。王様を守る親衛隊は強い。ということで城の中で乱戦が始まる。

■雲の中でもみあいが起こるということですね。

□そのとおり。そして雲が薄いということは、城が小さいということ。小さな城は守備兵も少ないし、すぐ打ち破られる。しかし、大きな城はそう簡単には陥落しない。

■わかりやすい。

□フェイズ6、雲のねじれ。前に勉強したね。大勢トレンドの転換を示す。
雲のねじれは実は価格が雲の中にいるときに起こる。これを知っている人は少ない。もちろん、価格変動には特殊ケースがよくあるから絶対ではない。しかし、通常の値動きのとき、(本日を含めて)26日先に描かれた雲がねじれたという日、価格は雲の中にいる。チャートで検証してほしい。相当高い確率で実証されるはずだ。

■前の図「価格変動のフェイズ詳細」を見ればわかります。雲のほぼ中央あたりにいますね。

□ということは城の中の乱戦の真ん中にいるということ。このことを頭に入れておこう。

■了解です。

□そして、フェイズ7、価格が雲を突き抜ける。ついに城陥落だ。王様は逃げ出した。
これが三役好転。三役好転とは均衡表の好転・遅行スパンの好転・価格が雲を上抜けるという3つだが、一目均衡表基本図を知り尽くしている使い手にとっては、均衡表の好転と遅行スパンの好転はいずれも早いシグナルであり、三役好転は遅いシグナルであることを知っている。

■なるほど。こういったトレンドの中での出現時期を理解していなければならないんですね。三役好転は遅いシグナルなんだ。一番有名なシグナルなのに。

□重要なことは城は落ちたということ。ということはもし売りを持っていたとして、どんなに我慢していても、三役好転してしまえば損切りしなければいけない。

■本来はもっと早く手放すべきですが、たまたま持ち続けていたとしても、それ以上は持つことは許されないということですね。

□そういうこと。城が落ちたのだからね。